AWS、機械学習利用の医療情報抽出サービス「Comprehend Medical」にオントロジーリンク機能

Natalie Gagliordi (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2019-12-19 12:16

 Amazon Web Services(AWS)は米国時間12月16日、「Amazon Comprehend Medical」に、医療オントロジーとのリンク機能を追加したと発表した。Comprehend Medicalは、機械学習(ML)を利用して、非構造化テキストから関連する医療情報を抽出する、医療機関向けの自然言語処理サービスだ。

 Comprehend Medicalは、MLを用いてトピックをモデル化し、言語を検出し、センチメント分析を実行し、構造化されていない医療記録/文書から語句を抽出する。またComprehend Medicalは、投薬量や病状といった情報やその関係性を理解するようにもなっている。

 医師は新たに提供されたオントロジーリンク機能を利用することで、構造化されていない臨床治療記録から投薬情報や医療情報を検出し、そうした情報をICD-10-CMやRxNormといった医療オントロジーにリンクできるようになる。AWSによるとこの機能は、治療の結果やケアの向上に加えて、大量の非構造化テキストの処理にかかるコストや時間、労力の削減で医師を支援するという。

 病院や薬局、その他の医療サービス機関はこれまで、自らのコンピューターシステム内でさまざまな名称規約を使用してきている。RxNormをはじめとする医療オントロジーの目的は、こういったコンピューターシステム間での効率的な情報のやり取りを実現するというものだ。Comprehend Medicalは、医療記録から症状や診断といったエンティティーを洗い出し、オントロジー内の特定の概念にリンクするシステムとして機能する。

 AWSはブログへの投稿で、「開発者は『Amazon Comprehend Medical ICD-10-CM Ontology Linking API』(ICD-10-CM医療オントロジーリンクAPI)や『Amazon Comprehend Medical RxNorm Ontology Linking API』(RxNorm医療オントロジーリンクAPI)を用いることで、医師のメモや患者の健康記録といったさまざまなデータソースから、迅速かつ正確にコード(例えば、頭痛を表すICD-10-CMコードである『R51』)を抽出できるようになる。ディープラーニング(DL)を活用したわれわれのアプローチでは、それぞれのエンティティーが記されたコンテキストを理解するようことで、オントロジーのリンクは既存のルールベースのシステムを使用した場合よりもはるかに高い精度を実現できる」と説明している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]