Amazon Web Services(AWS)は米国時間12月16日、「Amazon Comprehend Medical」に、医療オントロジーとのリンク機能を追加したと発表した。Comprehend Medicalは、機械学習(ML)を利用して、非構造化テキストから関連する医療情報を抽出する、医療機関向けの自然言語処理サービスだ。
Comprehend Medicalは、MLを用いてトピックをモデル化し、言語を検出し、センチメント分析を実行し、構造化されていない医療記録/文書から語句を抽出する。またComprehend Medicalは、投薬量や病状といった情報やその関係性を理解するようにもなっている。
医師は新たに提供されたオントロジーリンク機能を利用することで、構造化されていない臨床治療記録から投薬情報や医療情報を検出し、そうした情報をICD-10-CMやRxNormといった医療オントロジーにリンクできるようになる。AWSによるとこの機能は、治療の結果やケアの向上に加えて、大量の非構造化テキストの処理にかかるコストや時間、労力の削減で医師を支援するという。
病院や薬局、その他の医療サービス機関はこれまで、自らのコンピューターシステム内でさまざまな名称規約を使用してきている。RxNormをはじめとする医療オントロジーの目的は、こういったコンピューターシステム間での効率的な情報のやり取りを実現するというものだ。Comprehend Medicalは、医療記録から症状や診断といったエンティティーを洗い出し、オントロジー内の特定の概念にリンクするシステムとして機能する。
AWSはブログへの投稿で、「開発者は『Amazon Comprehend Medical ICD-10-CM Ontology Linking API』(ICD-10-CM医療オントロジーリンクAPI)や『Amazon Comprehend Medical RxNorm Ontology Linking API』(RxNorm医療オントロジーリンクAPI)を用いることで、医師のメモや患者の健康記録といったさまざまなデータソースから、迅速かつ正確にコード(例えば、頭痛を表すICD-10-CMコードである『R51』)を抽出できるようになる。ディープラーニング(DL)を活用したわれわれのアプローチでは、それぞれのエンティティーが記されたコンテキストを理解するようことで、オントロジーのリンクは既存のルールベースのシステムを使用した場合よりもはるかに高い精度を実現できる」と説明している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。