富士通は1月30日、デジタルトランスフォーメーション(DX)事業を手がける新会社「Ridgelinez(リッジラインズ)」を設立し、4月1日に事業を開始すると発表した。併せて3月末にSAPジャパン社長を退任する福田譲氏が、4月1日付で富士通 執行役員常務に就任することも明らかにした。
Ridgelinezは、富士通 社長の時田隆仁氏が2019年9月の経営方針説明会で発表していた新会社となる。富士通は、「グループのDXビジネスの先駆者として位置付け、新たな仕組みや制度のもとで柔軟性、機動性を持たせることにより、DXビジネスの展開をさらに加速させていく」と説明。顧客視点から経営課題や事業課題などの本質的、根源的な解決に取り組むとし、富士通グループの製品やサービスにとどまらない取り組みを進めるとしている。
新会社では、「高度人材処遇制度、新卒既卒を問わない通年採用、フリーランス制度など柔軟な人事・報酬制度を含む、新しい働き方を提案、提供し、優秀な人材が集まり活躍しやすい環境を整える」という方針も標榜。社名の由来は「稜線(=Ridgeline)」といい、「多くの山々が折り重なり合うことで美しい景色を生み出すように、多様な個性、才能との共創が重なることで新たな価値を生み出す存在を目指す」という。
代表者は3月末まで時田氏が兼務するが、4月1日付で現PwCコンサルティング 副代表執行役 シニアパートナーの今井俊哉氏が社長に就任する。
また、先の説明会で時田氏が表明した富士通の「IT企業からDX企業への変身」について、4月1日に下記の経営体制の変更を実施する。
- グローバルコーポレート部門を廃止し、コーポレート各機能を社長が直接管轄する
- サービス軸で営業部門とテクノロジーソリューション部門を再編し、「グローバルソリューション部門」を新設する
- 日本市場に特化した公共、地域、社会インフラ、特機部門は富士通マーケティングを含む「JAPANリージョン」として組成する
- 海外5リージョンは「海外リージョン」として統一的なガバナンスを徹底する
- サービスプラットフォームビジネスグループを社長直轄のシステムプラットフォームビジネス部門とする
富士通 常務に就任する福田氏は、CIO(最高情報責任者)兼CDXO(最高デジタルトランスフォーメーション責任者)補佐を担当し、業務プロセスや組織、企業風土、ワークスタイルを横断したグローバルでの富士通社内のDX化をけん引していくという。
また、理事 CMO(最高マーケティング責任者)に現日本マイクロソフト 業務執行役員 パートナー事業本部 パートナーマーケティング統括本部長の山本多絵子氏、理事 M&A戦略担当に現McKinsey & Company Global Director, Alliances & AcquisitionsのNicholas Fraser氏が就任する。