海外コメンタリー

AIや機械学習を活用するサイバーセキュリティ企業8社

Jonathan Greig (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2020-04-13 06:30

 サイバーセキュリティの脅威が高まり続けている中、人工知能(AI)と機械学習は、一夜にしてサイバーセキュリティ企業が顧客企業の安全を守るために必要不可欠な道具になったように見える。IDCが2019年に発表したレポートでは、2019年の世界のサイバーセキュリティ支出は1000億ドルを上回り、2020年にはさらに増えると予想されていた。

 クラウドプラットフォームから、従業員が使用しているさまざまなテクノロジーまで、企業のあらゆる場所でテクノロジーの使われ方が進化している。しかし、そのことがサイバー攻撃の足がかりを増やしてしまっており、従来のシステムには大きな負荷がかかっている。

 Gartnerは、すべての大企業はいずれ、サイバーセキュリティについて年に1度取締役会に報告することが求められるようになり、セキュリティはもはやIT部門だけには任せておけない重要な問題になると予想している

 また別の調査によると、2019年には脆弱性の管理に対する企業の年間支出は平均140万ドルに達したが、これは2018年よりも28万7250ドル大きい数字だという。しかし多くの企業には、セキュリティに関するすべてのニーズに対応できる規模のセキュリティチームを用意する余裕はない。そこで重要な役割を果たすのがAIと機械学習だ。これらの技術は、企業がさまざまな脅威を管理するための手段と、サイバー犯罪者(こちらもAIと機械学習を使ったツールを利用している)に対抗する能力をもたらす。

 2019年には、一般的な「検知して対処する」手法に頼ったサイバーセキュリティサービスを利用していた企業で、多くの情報漏えいが発生した。この手法はもはや、高度な手段を使ってシステムに侵入し、機密情報にアクセスする(しかも手遅れになるまで発見されないことも多い)詐欺師やハッカー、脅威アクターに対しては、役に立たない場合が多いことが証明されたと言っていいだろう。

 AIと機械学習は、疑わしい活動がないかを常に監視し、被害が出る前に問題を修正したり、個人の活動を追跡したりすることによって、企業のサイバーセキュリティを強化し、高度な脅威から身を守るのを手助けする。

 この記事では、人工知能(AI)と機械学習に力を入れている8社の優れたサイバーセキュリティ企業を紹介する。

1.Darktrace

 Darktraceは、ケンブリッジ大学の数学者と、米国政府と英国政府のサイバーインテリジェンス専門家が集まり、2013年に設立した企業だ。同社の「Enterprise Immune System」や「Darktrace Antigena」プラットフォームでは人工知能(AI)が使われており、どちらも自動化の力を使って、さまざまな脅威を初期段階で発見する。これには、クラウド特有の脆弱性や、内部関係者による脅威、国家の支援を受けた諜報活動なども含まれる。

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