IDC Japanは、国内IoT市場における産業分野別の予測とユースケース別の事例考察を発表した。ユーザー支出額について2019年の実績(見込値)は7兆1537億円で、2024年には12兆6363億円に達すると予測される。2019〜2024年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は12.1%となる。
主要産業分野(13業種)別では、2019年時点で個人消費者以外において支出額が多い産業は、組立製造、プロセス製造、官公庁、公共/公益、小売、運輸。製造業の支出額が大きい理由として、国内総生産(GDP)における製造業の割合が大きく、国策として製造業におけるIT/IoTの活用を推進していることなどが関係している。さらに、社会インフラの老朽化対策や交通システムの高度化施策の拡大、スマートグリッドに対する支出の急速な増加、サプライチェーンをまたぐ形でのIoT活用の広がりなどが、これらの産業の支出額を押し上げているという。
さらにIDCでは、個人消費者のIoT支出額規模についても高い成長性が見込まれるとしている。2024年にはスマートホーム(家電や住宅の自動化)といったユースケースがけん引し、組立製造に次いで2番目に大きい市場になるという。また農業フィールド監視、小売店舗内レコメンド、院内クリニカルケア、スマートグリッド/メーター、電気自動車(EV)充電設備管理、テレマティクス保険なども2019~2024年にかけてCAGRが20%前後と高い成長が期待される。