Google Cloudは、マルチクラウド環境のワークロードを管理する「Anthos」プラットフォームの「Amazon Web Services」(AWS)対応がGA(一般提供開始)となったことを発表した。
Anthosは、複数のワークロードの管理プレーンを提供するためのハイブリッドクラウド/マルチクラウドプラットフォームだ。Google CloudがAWSやMicrosoft Azureとの競争を繰り広げる中、同社がさらなるエンタープライズのワークロードに対応できるようにする要素となる。
Google Cloudの最高経営責任者(CEO)Thomas Kurian氏はAnthosについて、複数の業界で利用可能なデジタルトランスフォーメーションのエンジンだとしている。Anthosのマネージドサービスは、エンタープライズアプリケーションをモダナイズする手段の1つだとされている。
Google Cloudのプロダクト管理担当バイスプレジデントJennifer Lin氏は、AWSとともにオンプレミスのインフラを利用している多くの顧客が、AWSに対応したAnthosを試験的に利用していると述べた。Microsoft Azureへの対応は、現在プレビューとなっている。
Lin氏は「当社の顧客の多くがマルチクラウドに取り組んでいる」とし、「市場の需要を考慮してAWSを最初に選んだが、Azureへの対応はプレビュー版として提供しており、間もなく正式に提供を開始する。われわれは、さまざまな業界の多くの企業でテストしてきた。企業は1つのクラウド環境に縛られたくないと考えている」と述べた。
Anthosは当初、VMwareの「VMware vSphere」といったプラットフォーム上で稼働しているオンプレミスアプリケーションをGoogle Cloudに移行するためのプラットフォームとしてサービスを開始したが、企業は複数のクラウドベンダーを利用するようになっている。Cisco SystemsやNetAppといったベンダーもAnthosをサポートした機器を用意している。
Anthosのメリットには、主にロックインを回避したいという考えがあるとLin氏は説明した。「Kubernetes」のようなツールを用いてインフラやワークロードを抽象化することで、Anthosは企業が一元的なポリシーで複数のワークロードを管理できるようにする。Lin氏は「規制のあるエンタープライズ顧客の声を多く確認している」と述べた。
Anthosのアップデートには、コンテナーと同様のポリシー管理機能を、Google Cloud上の仮想マシンに対しても実現できる「Config Management」機能が含まれている。また「Anthos Service Mesh」は、向こう数カ月以内に、仮想マシン上で実行されるアプリケーションをサポートするようになる。
さらに、サードパーティーのハイパーバイザーなしに実行できるAnthosもロールアウトされる予定だ。また、ベアメタルで動作するAnthosをエッジコンピューティングの配備に使用できるようになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。