新型コロナウイルスの感染拡大により始まったロックダウンを機に、Zoomがビデオ会議市場で新たに席巻しているが、それに対抗するため、Facebook、Google、Microsoft、Ciscoなどの企業が製品に新しい機能を追加しようとしている。
Facebookは「Messenger Rooms」でZoomを打ち負かそうとしており、MicrosoftはZoomの49人同時表示に追いつこうとしている。「Google Meet」も同じだ。
技術は競争によって大きく進歩しているが、ビデオ会議で複数の同僚や友人と話そうとしてさまざまなトラブルに遭遇する人や、落とし穴にはまる人は後を絶たない。
しかし、製品の長所や短所に関わらず、ビデオ会議での経験を改善するために、ユーザー側でできることもある。
Googleでユーザー体験(UX)について研究しているZachary Yorke氏は、特に3人以上が参加するビデオ会議での経験を改善するために、ユーザーができることを5つ挙げている。(多人数が参加する会議では、発言が被ってしまう問題に各製品がどう対処しているかが明確になりやすい)
最初のヒントを理解するには、まず、対面式のコミュニケーションではミリ秒単位の反応が重要だが、ビデオ会議ではそれがさらに大きな問題になることを理解する必要がある。ビデオチャットは、ネットワーク帯域や、人と離れた単独の環境、参加者の顔が画面上の窓でしか見えないことなどによって影響を受ける。
Yorke氏は、意図しない中断を避けるために、話し方をゆっくりにすることを勧めている。また、少人数でグループ通話を行う場合は、沈黙したままにならずに、「なるほど」などと相づちを打つことで、音声によるフィードバックができるようにし、積極的に話を聞いていることを示してほしいとしている。
Yorke氏によれば、これが重要なのは、ネットワークの問題や技術的な問題があるため、発言が相手に理解されるまでにかかる時間が、最低でも2倍になるためだ。
「経験があるかもしれないが、発言が相手に理解されるまでには0.5秒かかる。これは、発言が被るのを避けながら、沈黙の時間が最小限になるように、そういう仕組みが人間に組み込まれているためだ」と同氏は言う。
「音声のラグや、ミュート解除ボタンの押し間違いなどが原因で500ミリ秒の遅延が起きると、遅延の時間が対面コミュニケーションの2倍になる。こうした遅延は、人間が交互に話をするための基本的なメカニズムを崩してしまう」 (Yorke氏)