新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)を受け、あらゆる企業がデジタル戦略を再考しており、多くの企業は通常の状況では何年もかかる可能性のあるITプロジェクトを急ピッチで進めている。とはいえ、AppDynamicsが世界各国のIT担当者を対象に実施した最新の調査では、現在進行中の変更の多くが将来を考慮せずに性急に実装されていることについて、IT担当者が懸念していることが明らかになった。
AppDynamicsの「Agents of Transformation」レポートの特別版である同調査では、パンデミックがITに及ぼしている影響の大きさが浮き彫りになった。回答者の95%は、自身の組織がパンデミックの最中にテクノロジーの優先順位を変更したと述べた。パンデミックの発生前なら数カ月~数年かかっていたであろうデジタル変革プロジェクトが数週間以内に実装された事例があると答えた回答者は71%に上った。
さらに、59%はテクノロジーの問題を受けて応急処置を行い、短期的な修正を導入したと述べた。76%は危機の真っ只中で性急に実装せざるを得なかったデジタル変革イニシアチブの長期的な影響について懸念を表明した。
このレポートでは、AppDynamicsはInsight Avenueに調査を委託し、売上高が5億ドル以上の組織の1000人のIT担当者に話を聞いた。回答者の所在地は、米国、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、カナダ、UAE、ロシア、日本、シンガポールの10カ国だ。業種は、ITや金融サービス、小売、公共部門、製造業、自動車、メディア、通信など多岐にわたる。調査は英国時間4月22日~5月6日に実施された。
調査に回答したほぼ全てのIT担当者(88%)は、デジタル顧客体験が自社の最優先事項になったと述べた。ただし、それらの企業は円滑な顧客体験を提供しようと試みているが、今でも多くの課題が残っている。
それらの課題には、ウェブサイトトラフィックの急増への対処(81%)、テクノロジースタックのパフォーマンスとそれが顧客に及ぼす影響に対する統合された可視性と洞察の欠如(80%)、リモートIT部門の平均解決時間の管理(70%)などが含まれる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。