Salesforceは米国時間6月1日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが終息した後に企業が安全に業務を再開できるよう支援する、パートナー企業製の新たなツール群をローンチした。これらのツール群は、オンサイトでの訪問者管理や、事業継続性計画(BCP)、サプライチェーン管理に焦点を当てたものとなっている。
これらのツール群は、Salesforceが「Work.com」上で取りまとめているリソースコレクションの一部となっている。Work.comは、COVID-19のパンデミックを受けて同社が5月に立ち上げたウェブサイトだ。企業はWork.comを利用することで、パンデミック終息後の業務運営の管理に利用できそうなあらゆるツールへの共通インターフェースを提供する「コマンドセンター」アプリケーションにアクセスできるようになる。1日にローンチされた3つのツールは、以下の独立系ソフトウェアベンダー(ISV)によって開発された初のWork.com製品だ。
Traction Guestは、オンサイトの訪問者の管理機能や関連する重要なアラート/アップデートを提供する。そしてFusion Risk Managementは、パンデミック終息後の業務に特化したリスク管理ツールやBCPツールを提供する。またComplianceQuestは、サプライチェーン管理や品質保証、規制準拠プロトコルを提供する。
ISVらはWork.com向けに自社アプリケーションを再構築しているわけではないものの、今回のような特定のユースケース向けにアプリケーションを適応させ、SalesforceがWork.comのコマンドセンターを介して提供している新たなプラットフォーム機能に直接的に接続している。
企業幹部はコマンドセンターによって、特定のロケーションに勤務する従業員の健康状態や施設が訪問者を受け入れられるだけの安全性を有しているかどうか、感染率や教育機関の休校といった観点に基づく地域の状況、サプライヤーが業務を継続しているかどうかといった、さまざまなファクターを1カ所から得られるようになる。
「AppExchange」のゼネラルマネージャーを務めるWoodson Martin氏は米ZDNetに対し、「初期のISVパートナーらは、重要なアプリを提供するとともに、それらをコマンドセンターに統合している。このため(顧客は)洗い出された洞察を意思決定の判断材料にすることができる」と説明した。
このような洞察の洗い出しに加え、コマンドセンターはマネージャーによる指示を伝達する手段も提供する。例えば、施設に問題が発生した場合、マネージャーはコマンドセンターを用いて施設の閉鎖や従業員への通知、成果物の配送ルートの変更を指示できるようになる。
またWork.comのコレクションには、初期のISVパートナーの製品だけでなく、AccentureやDeloitte、PwCといったパートナー企業からのコンサルティングリストも含まれるようになっている。
Work.comは施設の再開に焦点を当てたものになっている一方、Salesforceの「AppExchange COVID-19 Resources for Businesses」というウェブページでは、クラウドテレフォニーやデジタル署名ツールといった、施設の再開に先立って事業運営の安定化に寄与するツールに重点を置いた、パートナー各社からのリソースが集積されている。
Martin氏によると、このウェブページには現在、約100種類のアプリケーションが集積されており、さまざまな業界の顧客からの多様なニーズが反映されているという。
同氏は、「ここに、Salesforceのような企業が関与するエコシステムの持つ強みがある」と述べ、「数千社に及ぶパートナー企業によって、われわれは顧客が多くのものごとを見つけ出し、既存の作業環境にあらかじめ統合しておく上での支援を提供できる」と続けた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。