多くの国が厳しい不況に陥る中、最高財務責任者(CFO)の多くは、積極的にコスト削減を進めようとしている。そのため最高情報責任者(CIO)も、少なくとも短期的には、大幅な支出削減を行うよう迫られている。
調査会社のIDCは2020年5月、2020年のIT支出は5%減少する可能性が高く、PCやスマートフォンなどのハードウェアに対する支出はさらに減少するかもしれない一方で、クラウド関連のプロジェクトに対する支出は増える可能性があると述べている(特に、それがコストのコントロールや、オンプレミスのデータセンターやアプリケーションに対する資本支出の先延ばしに役立つ場合には)。コスト削減の方向性は企業によって異なっており、資本支出を削減する企業もあれば、新規プロジェクトの立ち上げを延期する企業もある。他の方法を模索する場合もあるだろう。
問題は、提案されたコスト削減策が、組織に及ぼす影響を考慮しないまま、削減できる金額だけで評価される場合があるということだ。Gartnerは、単純すぎるアプローチは悪影響を及ぼすかもしれず、失敗する可能性も高いと述べている。
提供:Gartner
GartnerのシニアリサーチディレクターChris Ganly氏は、企業の役員は、コストの削減や支出の凍結、人員削減などの短期的な対策以外のことも考える必要があると述べている。
「企業がコスト管理を行う際には、業績に与える短期的なメリットと、長期的な意議の両方を考慮した、発展的な取り組みにする必要がある。本当に企業のためになるコスト管理には、複数のアプローチを組み合わせた取り組みが必要であり、改善によって組織の隅々にまでメリットが及ばなければならない」とGanly氏は述べている。