米政府は、軍事目的で使用できる米国製の防衛機器およびテクノロジーの香港への輸出禁止に踏み切った。この制限措置(以前は中国本土にのみ適用されていた)は、中国共産党による香港支配の強化を目的とした中国の新しい国家安全維持法を受けて実施された。
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米商務省と米国務省は米国時間6月30日、禁止措置に関する声明を発表した。両省とも、香港に対する優遇措置を停止した理由として、中国の新しい香港国家安全維持法を挙げた。
米商務省は、「中国共産党による香港国家安全維持法が可決されれば、香港の自治が損なわれるだけでなく、機密性の高い米国のテクノロジーが人民解放軍や中国国家安全部の手にわたるリスクも増す」と述べた。
一方、米国務長官のMike Pompeo氏は、中国共産党が香港国家安全維持法によって「香港の自由を骨抜きにした」と語った。
「中国共産党が香港国家安全維持法の可決に向けて動いているため、米国は6月30日、米国製の防衛機器の輸出を停止し、中国と同様、香港に対しても、米国製の防衛機器およびデュアルユース(軍民両用)テクノロジーの輸出制限に向けた措置を講じる」(Pompeo氏)
The New York Timesによって最初に報じられたこの新しい禁輸措置は、中国政府が新しい国家安全維持法の可決に向けた最終的な準備を進める中で実施された。この法律が可決されると、中国政府に対する抗議や批判が大幅に抑制されるおそれがある。
防衛機器とデュアルユーステクノロジーの輸出を禁止する米国の措置は、5月の時点から既に準備が進められており、米国のDonald Trump大統領は香港に対する優遇措置の一部を廃止することを5月下旬に発表した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。