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オープン技術の台頭や米中貿易戦争--変化の激しい5G市場で米国の戦略は

Scott Fulton III (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2020-06-19 06:30

 米国の立場が悪くなる恐れがある。

 世界の無線通信インフラを置き換えることになると有力視されたあるテクノロジーは、悪意あるアクターによる侵入や攻撃に対して脆弱で、ユーザーのプライバシーを危険にさらす恐れもあった。さらに、諜報機関はこの新しいテクノロジーが、機密システムにアクセスするための踏み台にされる危険があると主張した。そんな中、業界アライアンスが結成され、世界規模で展開されるであろう未来のリモートビジネスを支える真の楽園とも言えるこのテクノロジーを普及させるべく動き出した。アライアンスのメンバーらは、セキュリティに対する懸念が過剰であり、でっち上げだとさえ主張した。そして彼らは、このテクノロジーが脳にマイクロ波を直接浴びせかけることで増えすぎた人口を抑制するための政府の陰謀だという非難の払拭に努めた。

 しかし、疑いが消えることはなく、傷つけられた名誉はあまりにも大きかった。最終的にこのテクノロジーは破棄された。ワイヤレス業界はあっという間に代替テクノロジーを受け入れ、その名前は忘れ去られた。

5Gの主導権争い、米国がとるべき戦略は

 これは2007年の出来事だ。テクノロジーの名前はWiMAX。IntelとSprintなどがこの技術を推進し、「WiMAX Alliance」というアライアンスが結成された。そんな中でセキュリティに対する懸念を軽んじ、無視するとともに、「自国民を電磁調理する」という陰謀を推進したかどで非難されたのは米国政府だった。

 このパターンを思い出してもらいたい。歴史は繰り返すという格言の素晴らしいところは、それを繰り返さないようにするための機会も繰り返して与えてくれることである。

O(オープンな)リング

 筆者が2年前に米ZDNetに寄稿した記事で述べていたように、5Gという無線規格は、実質的に中国移動通信(チャイナモバイル)が2011年に生み出したものだ。同社は、移動体通信用のBBU(Base Band Unit)から無線送信機の核である無線信号の処理を切り離すことのメリットを最初に検討した企業だ。これらを切り離せば、物理的なBBU上で実行しなければならない処理を切り出してクラウドデータセンターで処理できるようになる。また、BBUを小型化し、消費電力を減らせる結果、冷却も容易になる。冷却のコストは、基地局を維持するための非人的コストのなかで最大のものとなっていた。しかし中核処理を切り離し、別の設備で実行するようにした結果、基地局を風の力で自然に冷却できるようになった。

 4Gのコアテクノロジーをめぐる争いで、WiMAXはLTEに敗れた。LTEは、NTTドコモが提唱した規格だ。そして今、米国勢は挽回するまたとない機会をつかんでいる。正確に述べると、その機会をつかんだのは初期の段階でチャイナモバイルと協力関係にあったAT&Tだ。なお、5Gのコアテクノロジーが実を結んだのは、世界の利害関係者による共同の取り組みであり、両社がさまざまな面で主導してきた国際標準化団体3GPPの功績が大きい。

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