Hewlett Packard Enterprise(HPE)の最高経営責任者(CEO)Antonio Neri氏が米国時間12月1日夜、米ZDNetとの電話インタビューに応じた。この日、同社は2020会計年度第4四半期決算を発表した。売上高と利益はアナリストの予想を上回り、2021会計年度通年でも予想を上回る見通しを示した。また、本社をカリフォルニア州サンノゼからテキサス州ヒューストンに移転する計画を発表した。
Antonio Neri氏
「非常に良い形で1年を終えることができた」とNeri氏は米ZDNetに語った。「本日発表したように、この四半期の売上高は72億ドルとなった。これは、ビジネスがコロナ前の水準に戻ったことを示している」
Neri氏の下で、HPEは以前から「アズ・ア・サービス」モデルへの移行を進めている。
四半期の数字は、この戦略の正しさを証明するものだとNeri氏は述べる。
しかし、他にも同社のアプローチの正しさを示す質的な指標があるという。
「アプリとデータについては、ワークロードを考える必要がある」とNeri氏は指摘する。「大量の計算を必要とするワークロードの場合、計算能力とデータは同じ場所になければならない。その典型がハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)であり、当社はこの市場のリーダーだ」
Neri氏によれば、HPEは複数のカテゴリー、特に成長事業で高い市場シェアを保持しているか、シェアの拡大を目指しているという。例えば、インテリジェントエッジ製品の売上高は前期比15%増の7億8600万ドルとなった。この市場では「シェアの拡大を目指す」と同氏は述べる。
HPC及びミッションクリティカルシステム(MCS)製品の売上高は前年同期比25%増を記録した。「当社はHPC市場のリーダーであり、37%のシェアを誇る。シェアは今も拡大傾向にあり、2位の企業とは10ポイントの差を付けている。6つのエクサスケールシステムのうち、5つに勝利した」とNeri氏は強調する。
本社をカリフォルニア州サンノゼからテキサス州ヒューストンに移転するという判断については、中核拠点を分割する試みとして説明した。
同社はテキサスとカリフォルニアに「2つの大規模なハブ」を整備したという。「1つはテクノロジーのハブだ。これはシリコンバレー、つまりサンノゼのビルであり、多くのイノベーションが生まれる場所だ。ここには真に最先端のデジタル環境だ」と同氏。「Aruba、インテリジェントエッジ、ストレージ、ソフトウェア、HP研究所の拠点」として「素晴らしい場所になる」という。
一方、「ヒューストンのビルにはコーポレート機能が集約される」。
本社の移転という選択を、Neri氏は「拠点を合理化」するためと説明し、ヒューストンは「多様な人材を引き付ける」には格好の場所だと称賛した。
同社はコロナ禍を機に人々が求める働き方を学んだとNeri氏は語る。それは、多くの人が地元で働くこと、あるいは時には自宅で働くことを望んでいるという事実だ。
第4四半期を総括し、Neri氏はこう述べる。「適切なポートフォリオを構築できていると感じている。ビジネスの状況は改善し、勢いを増している。もちろん不確実性はまだ多いが、現時点では状況は安定しているようだ」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。