Hewlett Packard Enterprise(HPE)の「HPE GreenLake」製品ラインの責任者であるKeith White氏は、「私の知る限り、完全にパブリッククラウドに移行しようと考えた顧客企業の数は片手で数えられる程度だ」と述べた。GreenLakeはハードウェアとソフトウェア、サービスを組み合わせ、クラウドライクなエクスペリエンスをオンプレミス環境で実現する製品だ。
White氏は米ZDNetに対して、パブリッククラウドに移行せず、オンプレミスにとどまることになるワークロードが全体の70%にもなる理由を説明した。
その要因を煎じ詰めると経済に行き着く。広範囲にわたるワークロードをクラウドに移行すると、そのコストは急激に増大する。これに対してHPEは、企業が必要とするだけのコンピュート能力を提供するだけでなく、企業自らのデータセンター内で運用できるようにする手段を有している。
White氏は2020年にHPEに加わる前、Microsoftで7年にわたってインテリジェントクラウドなどの取り組みを率いていた。
これは、White氏がMicrosoftのパブリッククラウド「Microsoft Azure」の開発や普及に責任を持つ、自称「Azureガイ」だったことを意味している。とは言うものの同氏は、パブリッククラウドへの全面移行を望む企業がほとんどないと自らの経験から知っている。
White氏は、HPEが米国時間10月15日に開催したアナリストミーティングの後の米ZDNetとの電話対談で、Microsoftに籍を置いていた頃を振り返り、「私が話をしたことのある顧客はいずれも、ハイブリッドクラウドの実装を計画していた」と述べた。
White氏にとって、ハイブリッドクラウドはパブリッククラウドへの踏み台ではなく、当面の間ほとんどのコンピューティングが実行され続ける場所だ。

Hewlett Packard Enterprise(HPE)の「HPE GreenLake」製品ラインの責任者であるKeith White氏は、「私の知る限り、完全にパブリッククラウドに移行しようと考えた顧客企業の数は片手で数えられる程度だ」と述べた。GreenLakeは槍の穂先であり、HPEが製品やサービスのポートフォリオに軸足を置く企業からマネージドサービス企業へと、すなわち最高経営責任者(CEO)Antonio Neri氏の言葉を借りると「アズ・ア・サービス」企業へとどれだけ転身できているのかを示すモデルとなっている。
提供:HPE Inc.
White氏は「世界はハイブリッドへと向かっており、マルチクラウドへと向かっている」と力説した。
同氏の見解は、個々の資産を販売するベンダーから、同社の最高経営責任者(CEO)Antonio Neri氏が言うところのアズ・ア・サービス企業へと転身するための企業改革に対するNeri氏の取り組みと合致している。
Neri氏の言葉を借りると、同社はクラウドコンピューティングという言葉の持つ意味を、パブリックインターネット上に配置されたリソースの中央リポジトリーというものから、コンピューティングの1ジャンルとでも言うべきものに変えたという。
White氏はインタビューの中で「Antonio(Neri氏)が述べているように、クラウドはエクスペリエンスであって、最終目的地ではない」と述べた。
GreenLakeは、この理念を勝利の理念にするための槍の穂先となる。GreenLakeは、買収や保守、ハードウェアとソフトウェア双方の管理をまたがるマネージドサービスの将来というHPEの最も純粋な理念であり、顧客はこれらすべてを消費ベースの契約に基づいて購入できる。