三菱UFJ銀行は、日立製作所が開発したオンラインでの本人確認業務を支援する「eKYC支援サービス」を採用した。同サービスを利用した本人確認業務の運用開始を2021年に予定している。また日立では同サービスを金融機関向けの汎用サービスとして拡販していく。
「eKYC支援サービス」の概要
eKYCは、本人確認(KYC:Know Your Customer)を電子的に行う仕組みを指す。2018年11月の犯罪収益移転防止法施行規則の改正(改正犯収法)により、金融機関をはじめ特定事業者のオンライン本人確認において、スマートフォンなどによる顔写真や本人確認書類の撮影、ICチップの読み取り・照合で手続きを完結する本人確認方法が法律で認められた。
eKYC支援サービスは改正犯収法に対応した、安全かつ利便性の高い本人確認処理を実現するクラウドサービス。日立が、公的個人認証サービスの総務大臣認定プラットフォーム事業者であるサイバートラストと業務提携して開発した。ネット上での契約や口座開設時の本人確認手続きにおいて、スマートフォンを使って、免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類の券面撮影、もしくはICチップの読み取りを行い、セルフィー写真(自撮りの顔写真)とともに送信することで、オンラインでの本人確認を実現する。
スマートフォンアプリからの手続きを可能にするソフトウェア開発キット(SDK)と、APIを提供し、既存のスマートフォンアプリや業務システムへの実装を容易にする。また本人確認書類の読み取りには、改正犯収法に基づくICチップ読取方式と券面撮影方式に対応しているほか、顔を自動検知するオートシャッター機能を備えている。