Amazon Web Services(AWS)は、米航空宇宙局(NASA)の火星探査機「Perseverance」から送信されるデータの処理に関して、クラウドコンピューティングが果たしている役割を説明した。Perseveranceは先週、火星着陸に成功した。
米国時間2月20日に撮影されたパノラマ画像
提供:NASA
Perseveranceの火星でのミッション中に、Perseveranceから送信される科学データや工学データはAWSで処理され、ホストされる。「Mars Rover」チームは毎日、記録的な数のカメラから何百枚もの火星の画像を受信するため、Perseveranceの火星でのミッション中に受信する画像は膨大な数に上る。AWSによると、NASAのジェット推進研究所(JPL)がこの大量のデータを効率的に保存、処理、配布する上でクラウドは有用となる。
NASAはAWSを利用し、これまでよりも火星からのデータを地球でより高速に処理できるようになっている。処理速度が向上することで、NASA JPLは火星探査機の状態や安全性に関して、より迅速に判断できるようになる。この情報は、サイエンティストやエンジニアが火星探査機の翌日の活動を計画する上で重要だという。
AWSは、「火星探査機の移動には可視性が必要であるため、チームが特定の時間枠内に次回分の指示を火星探査機に返信できることが重要だ。効率が向上することで、Mars 2020は重要なミッションの間に、過去の火星探査機より多くのサンプルを収集し、長い距離を移動するという野心的な目標を達成できるだろう」と説明している。
Mars 2020の火星探査機Perseveranceは、火星の地質を調査するほか、古代生命の痕跡を探っている。Perseveranceは米国時間2020年7月30日に打ち上げられた。ミッションでは、岩石や土壌のサンプルを収集して保存する。これらを、最終的に地球に持ち帰るための計画が進められているという。
地球にデータを送り返せるようにするため、この火星探査機はセンサー、カメラ、マイクを搭載している。
AWSは、「センサーは、大気の情報や風速、天候などの科学データを収集する。マイクは火星の音を収集する。このデータはJPLによって処理され、一般に公開されるため、視聴者がNASA JPLとともに火星を探索できる」としている。AWSは、Perseveranceの視点からの火星の3Dビューも提供している。
NASAのミッションにAWSが貢献することは、Amazonの最高経営責任者(CEO)を退任するJeff Bezos氏がBlue Originで実現しようとしている宇宙分野に関する野心を思い起こさせる部分もあるかもしれない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。