ニッセイ情報テクノロジーは、ユーザーがどこからでもアクセスができるオープン系システム開発環境のリモート化に「VMware Horizon Enterprise on IBM Cloud」を採用した。
このリモート開発基盤は6月の稼動開始を予定。パートナー企業も含めた開発者1750人が利用し、リモートの環境下でも開発業務の継続が可能になる。
また、IBM Cloud上の仮想デスクトップ基盤に開発環境を構築することにより、規制の厳しい顧客にも対応するセキュリティを適応しながら、リモートから任意のデスクトップを選択可能となり、開発要員数全体の増減や個々の開発対象基盤ごとの増減への柔軟な対応が可能になる。
ニッセイ情報では、2020年4月の新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言発出に際し、パートナー企業も含めた開発要員の感染防止のため、顧客企業へのシステム開発の一部延期要請を余儀なくされていた。
顧客企業資産の開発環境を利用していた同社では、パンデミックや自然災害に備えて、開発要員の安全と業務継続を両立する観点から自社資産のリモート開発環境構築の検討を開始した。その後2020年9月末に、メインフレームシステム開発環境のリモート化を実現し、今回オープン系システムのリモート開発環境構築に着手した。
オープン系システム開発環境のリモート化検討では、メインフレームシステム開発環境のリモート化で活用した、オンプレミスの仮想デスクトップ基盤の活用を考えていたが、検討着手時には新型コロナウイルス感染の第2波が発生しており、その後の感染の再拡大や長期化に備えて感染防止と業務継続の両立を早期に実現し、今後のシステム開発の変化にも対応できる全ての選択肢を検討する必要があった。
同社では、顧客企業システムのリモート開発時のセキュリティ確保を最優先する観点からVDIを前提とし、オンプレミス、複数のパブリッククラウド上のVDI構築を比較評価した。
その結果、ベアメタルサーバの利用により既存オンプレミス環境の設定情報を利用した開発期間の短縮化と、取得済みのVMware Horizonライセンスの適用が可能な「VMware Horizon Enterprise on IBM Cloud」を採用することとした。