業務変更に追随--商品開発プロセスをシステムで標準化したカウネットの柔軟性

石田仁志 藤代格 (編集部)

2021-03-10 07:00

 オフィス用品や文房具メーカーのコクヨ(大阪市、連結従業員数6961人)のグループ会社となるカウネット(港区、単体従業員数227人)は、電子商取引(EC)サイトとカタログを使ったオフィス向け通販サービス「カウネット」、カウネットと連携できる大企業向け購買管理システム「ウィズカウネット」などの通販関連事業を展開している。本社のある品川には家具やオフィス商品を展示する「Kau-Box(カウボックス)」というショールームを構え、ネットとリアルを活用した新しい働き方のヒントの提供を目指している。

複数の商品開発プロジェクトが並走

リビングワークデスク(出典:カウネット)
リビングワークデスク(出典:カウネット)

 カウネットでは、コクヨや他社の既存製品を取り扱うほかに、“お客様のお困りごとを解決する” プライベートブランド(PB)商品として「カウコレプレミアム」「カウコレプライス」といった「カウコレ」シリーズを展開。

 例えば昨今では、コンパクトに折りたためる収納機能付きの折りたたみ式デスク「リビングワークデスク」がヒット。発売と同時にTwitterで話題となり、欠品状態が継続しているという。

 カウネットで品質管理や業務改善を担当する管理統括部 品質管理ユニットの大竹陽氏は、多くの人気商品が誕生し、同社サービスの付加価値となっていると説明。年間で数百品番の新商品を生みだし、そのアイデアや企画は週次で管理。随時並行して開発できるよう、常に複数の商品開発プロジェクトが稼働するという。

 一つのプロジェクトには企画、開発、生産管理といった複数の担当者が関わり、進捗を管理する上司と合わせて5~6人で情報を共有。社内のファイルサーバーで商品ごとに表計算ソフトやプレゼンソフトなどのファイルを管理するも、フォルダ内は“置きっ放し”で、それぞれが入力する情報の種類、更新ルールなどはバラバラ。情報や進捗の管理が難しかったと課題を語る。

管理統括部 品質管理ユニット 大竹氏
管理統括部 品質管理ユニット 大竹氏

 「年間かなりの数を開発していくなかで、必要な情報が入っているかどうかすらわからなかった」(大竹氏)。実際に開発が停滞するプロジェクトもあり、開発状況を可視化する必要があったと振り返る。

 2019年に取得した品質マネジメントシステムの国際規格である「ISO9001:2015」に準拠した品質管理を継続するためにも、従来の商品開発プロセス以上の新たな仕組みが必要だったという。

 そこで同社は2018年末、PB商品開発プロジェクトと商品の品質を管理するための新しい業務システムの構築に着手した。

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