ニューロダイバーシティ(neurodiversity、「脳多様性」や「神経多様性」と訳されることもある)人材は、企業やサイバーセキュリティに必要とされるパターン認識能力やスキルを持っている場合があるとされている。
筆者は、Bank of Americaの最高情報セキュリティ責任者(CISO)Craig Froelich氏にインタビューを行い、ニューロダイバーシティ人材の雇用や、それらの人材がサイバーセキュリティチームにどのようなメリットをもたらすかについて話を聞いた。以下ではその要点をまとめる。
ニューロダイバーシティはBank of Americaの人材雇用戦略の一部である。Froelich氏は次のように述べた。
私たちの組織では、かなり前からニューロダイバーシティ人材が働いています。神経学的な多様性を持つ人たちの数が多い割には、ニューロダイバーシティは、企業のダイバーシティ推進活動の中でも目立たないものの1つだと言えるでしょう。世の中には自閉症スペクトラムの人もいれば、ADHDの人もいます。またディスレクシア(難読症)の人もいます。彼らの中には、それらの症状と結びついているスティグマのせいで、長い間そのことについてオープンに話したくないと思ってきた人たちもいます。私たちが、いくつかのサイバーセキュリティの難しい問題を解決するためにニューロダイバーシティの重要性について検討し始めたとき、まず大事にしたのは、組織の中でオープンかつ率直に、勇気を持って対話できるようにすることでした。すると素晴らしいことに、誰もが助けになりたいと言ったのです。それから重要だったのは、この問題に詳しいコミュニティから、私よりもこの問題をよく知っており、何から始めて何をすればいいのかを理解する手助けをしてくれるパートナーを見つけることでした。
大事なのは、これは孤立した取り組みではないということです。これは人材雇用戦略の一部なのです。ニューロダイバーシティ人材は、すでにチームの一員になっている人も、これから参加する人も、同じ採用手続きを経ています。
サイバーセキュリティにおけるニューロダイバーシティの役割について。Froelich氏によれば、ニューロダイバーシティ人材はパターンの発見を得意としている。同氏は次のように述べた。
ニューロダイバーシティ人材が持っている優れた能力の1つの例が、パターン認識に関する素晴らしい能力です。サイバーセキュリティの分野には、暗号、マルウェアのリバースエンジニアリング、ハントチームなどの、集中力や、意思や、細部を見極める力が非常に重要な仕事があります。ニューロダイバーシティ人材は、適切な条件とサポートがあれば、そうした仕事をこなせる優れた適性を持っています。