サンフランシスコ発--科学技術関連職のダイバーシティ(訳注:集団に属する人々の人種、性別、宗教、国籍、障害の有無、年齢などのさまざまな属性の多様性)を高めるためには、業界の主要な企業による積極的な取り組みと投資、そして若い人材の雇用を目指すことが重要だ。
著名なテクノロジ企業の多くで、性別および民族的なダイバーシティが不足していることを明らかにした残念なレポートが発表されて以来、シリコンバレーに拠点を置くいくつかの大手企業が、そのダメージを修復し、さらに将来世代において状況を変えようと、さまざまな試みを始めている。
Oracleも今週この動きに加わり、カリフォルニア州レッドウッドショアにある同社の敷地内に、公立の特別認可高校を設立する計画を発表した。同校は2017年秋に完成し、授業を開始する準備を整える予定だ。
「Design Tech High School」(d.tech)と名付けられた、6万4000平方フィート(約6000平方メートル)の施設を持つこの新高校には、550人の生徒と30人の教職員が在籍することになる。Oracleの有志従業員も関与し、学期の間の期間に特別なコースの授業も行われる。
Oracleの最高経営責任者(CEO)Safra Catz氏は、同社の年次イベント「Oracle OpenWorld 2015」開催中の水曜日、金融分野の女性限定の特別昼食会で、このプロジェクトについて詳しく紹介した。
多くのコースは同社の有志によって授業が行われ、STEAM(科学、数学、工学、芸術、数学)関連のテーマを教える。生徒は、例えば「Raspberry Pi」プロセッサを使って何かを作るなど、特定の技術について学ぶこともできる。
あるコースは女子学生のみ選択可能だという。Catz氏は、技術にある程度興味を持っているが、その分野に進むことを勧められる機会がない学生に、チャンスを与えられる可能性があると強調した。Catz氏は、そのような人材が力を発揮できる可能性がある分野として、ウェアラブル技術の設計や開発を例に挙げた。
「これらの分野では、周囲を見渡しても女性はまったく見当たらない」とCatz氏は嘆く。
1999年からOracleに在籍しているCatz氏は、Oracleの敷地内で学費無料の高校を開校することを、大きな目標としていたという。
Oracle以外にも、新たな学校や教育プログラム、新たな取り組みなどを実施し、特に科学技術関連職で目立つダイバーシティの問題を解決しようとしている企業はある。
最近では、サンフランシスコのベイエリアで慈善事業を行っているPriscilla Chan氏とその夫でFacebookのCEOであるMark Zuckerberg氏が「The Primary School」と名付けられた学校の構想と計画を明らかにした。この学校には幼稚園生と1年生から8年生までが通い、教育と同時に子供たちの家庭での健康を守る取り組みを進める。この学校は、Facebookがメンローパークに作った広大な新キャンパスに近い、カリフォルニア州イーストパロアルトに開設される予定だ。
Intelのベンチャーキャピタル部門であるIntel Capitalは、女性やマイノリティ集団によるスタートアップ企業を支援する1億2500万ドル規模のファンドを6月に設立している。
