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女性がスマートに働ける環境が必要--多様性がイノベーションをもたらす

大河原克行

2015-04-14 13:34

 「新経済サミット2015」(新経済連盟主催)で「女性活躍と新しい働き方」と題したセッションが開催。インテル代表取締役社長の江田麻季子氏、グーグルの執行役員で最高マーケティング責任者(CMO)である岩村水樹氏が登壇した。新経済連盟幹事でもある、ホッピービバレッジ代表取締役社長の石渡美奈氏をモデレーターに「女性リーダーたちが推進してきたライフ・ワーク・インテグレーション」をテーマに意見を交わした。

 江田氏は「インテルはすべての組織階層でダイバーシティに力を入れている。多様性を受け入れる環境の構築にも取り組んでいる」と同社の状況を解説。「会議に女性1人だけが参加した場合、意見が異なるとマイノリティになってしまう。こうしたことを避ける環境を構築するなど、多様性を受け入れることが必要。多様性を受け入れることが革新性とビジネスの成功を実現するための基盤になる」との見方を示した。

江田麻季子氏
インテル 代表取締役社長 江田麻季子氏

 具体的な事例として、江田氏は「女性には“こういう態度を取らなくてはならない”“こういう話し方をしなくてはならない”といった注意がある。その点で女性として、コミュニケーションの仕方が違うという事実を受け入れていかなくてはならない。女性がどう感じているのかを男性の管理職に理解してもらう活動も必要である。昇格で管理職の要請を受けた場合、男性はアクティブに引き受ける傾向が強いが、女性の場合は、その準備ができておらず、すぐに回答できないという傾向も実際にある。より多くの才能を引き出していく環境が必要である」と語った。

 Intelは、2020年までに女性と少数派の雇用を推し進め、3億ドルを投資して理数系の女性を増やすための施策、それに関する教育などにも取り組む姿勢を示している。

 「女性の活躍やダイバーシティというのは、女性だけの話ではない。男性のクオリティ・オブ・ライフの進展にも寄与するものである。それによって、社会が優しくなるといったことも考えられる」と語る江田氏は日本企業を振り返った。

 「男女雇用均等法から30年を経過し、私たちはその第1世代としてやってきたが、女性たちが申し訳なさを感じずに仕事をする環境を整備する必要があり、そのためには、仕事の仕方を変えていくことが大切である。30年という長い期間を経ても変化が起こらなかったのは、日本はダイバーシティの重要性を受け入れる文化が醸成されなかったのが原因。これまでの30年間はゆっくりだったが、ここから『巻き』を入れて早めの改革が進むことを期待したい」

岩村水樹氏
グーグル 執行役員 CMO 岩村水樹氏

日本の管理職は粘土層

 グーグルの岩村氏は、「グーグルは働き方を変えることに力を注いでいる。その前提にあるのが自由な働き方ができ、多様な人材を生かす企業文化の構築。多様な人材が自由に働けることで、イノベーションを加速させることができる」と切り出した。

 岩村氏は「企業にとってダイバーシティは重要である。多様なバッググランドを持った人がいるとアイデアが生まれる。イノベーションにはアイデアが必要。つまり、イノベーションを加速させるには、ダイバーシティを受け入れなくてはならない。制度を変えるだけでなく、会社の中で家族の話をすることも働き方を変えることにつながると考えている」と語った。

 ダイバーシティの重要性を説く岩村氏は「女性がハードに働くのではなく、スマートに働く環境へと変える必要がある。それによって、1000万人の女性が職場に復帰できる可能性がある。女性がスマートに働ける環境を作るには、企業カルチャーや雇用ルールを変え、ITを活用する必要がある」という考えを示した。

石渡美奈氏
ホッピービバレッジ 代表取締役社長 石渡美奈氏

 「グーグルは日本でKDDI、日産自動車、広島県とともにWomen Willという活動を開始している。女性が家庭の外でも役割を持つことが大切だと思うという人は71%に達している。だが、女性が外で活躍するには、社会がサポートしてくれるということを実感として感じられなければ実現しえない。これを感じている人の比率は、諸外国に比べて、日本は圧倒的に少ない」(岩村氏)

 続けて岩村氏は、「日本の管理職は岩盤でなく、粘土層のようなものであり、打ち破るのは大変である。女性は、一番身近なダイバーシティであり、企業が生き残るためには、この取り組みが必須であると捉えてほしい」と述べた。

 モデレーターであるホッピービバレッジの石渡氏は「今年9年目を迎えた女性社員が産休から復職した。産休に入るときには、周りから“会社を辞めるべき”と言われたそうだ。だが、産休から明けて復職した姿を見て、周りが“私も会社を辞めなければよかった”“社会復帰できた人がうらやましい”と言われた。こういうところから意識を変えていくべき」と語った。

有村治子氏
女性活躍担当大臣 有村治子氏

こびりついた見えない構造の原因

 セッションの冒頭には女性活躍担当大臣の有村治子氏がゲストとして挨拶。「女性の活躍を社会を変えていくエンジンにしていきたい。この取り組みに対しては、多種多様な意見が出ており、総論賛成、各論反対というケースが多い。より多くの方々に賛同を得ることが必要である。女性の活躍をフェミニズムや人権の問題として捉えるのではなく、成長戦略に位置付けて官民を挙げて取り組んでいくとが大切である。これが、日本の競争優位につなげることが大切である。これが安倍内閣における女性活躍の基本的な考え方」という見解を明らかにした。

 「今後、毎年100万人ずつ人口が減ることになる。これはひとつの県の人口すべてが減るということにもなる。最大の潜在力である女性が輝き、力を発揮できる土壌を用意できるかが、日本の浮沈にかかっている。日本はITが進んでいるのに、なぜ長時間労働から抜け出せないのか。共働きの家庭で子どもをお風呂に入れる時間に家に帰れないのか。こうした、こびりついた見えない構造の原因は何かというところから議論をしていきたい」(有村氏)

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