Googleは米国時間4月19日、Siemensと提携し、産業分野でのユースケースを想定した人工知能(AI)の配備を促進していくと発表した。Googleはターゲットとしている6つの主要業界の1つである製造業で大手企業とのパートナー関係を築いたことになる。
Siemensの「Digital Industries Factory Automation」ポートフォリオと「Google Cloud」のデータアナリティクスやAIの機能を組み合わせることで、製造企業が工場のデータの管理や、クラウドベースのAI/機械学習(ML)モデルの実行、ネットワークエッジでのアルゴリズムの配備を容易にできるようになるとしている。
Googleの広報担当者が米ZDNetに語ったところによると、両社は向こう数カ月間で、Siemensのポートフォリオに統合され、Google Cloudで動作する、ジョイントソリューションとして提供されるツールについて発表するという。現時点で明らかにされているのは、こういったソリューションが品質管理やエネルギー効率といった、ファクトリーオートメーションに関するユースケースを対象とするものになるということだ。例えば、品質管理の分野では、製造ラインでの目視検査や、組み立てラインの機材に対するメンテナンスの必要性の予測といった面で支援できるという。
Googleによると、工場のデータを管理、活用するレガシーソリューションはたいていの場合、多くのリソースを必要とし、手作業でのアップデートが必要になる。この問題に取り組むために、多くの製造業者はAIに目を向けている。
それでも、GoogleとSiemensは、製造業で工場の環境におけるAIの配備は、組織全体で規模を拡大することが難しい場合があるとしている。
Siemens Digital Industriesでファクトリーオートメーションの制御を担当するバイスプレジデントのAxel Lorenz氏は、「工場の作業環境を劇的に変革するという目的で、AIの可能性はまだフルに発揮されているとは言えない」とし、「多くのメーカーはまだAIの『試験的なプロジェクト』から抜け出せておらず、私たちはそこを変えていきたい。GoogleのAI/MLテクノロジーとSiemensの『Industrial Edge』を組み合わせることで、インダストリアルオペレーションは製造業に大きな変革をもたらすものとなる」とコメントしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。