無制限リモートワークに移行--ヤフーが語るオフィスの姿と業務のデジタル化

阿久津良和

2021-04-15 06:45

 コクヨは4月13~14日の2日間、オンラインカンファレンス「働くのミライ会議」を開催。「テレワークの必要性、成功と失敗」と題したセッションでは、Zホールディングス 代表取締役社長で共同最高経営責任者(Co-CEO)とヤフー 代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)を兼務する川邊健太郎氏とコクヨ 代表取締役 社長 黒田英邦氏が登壇。テレワークの成功と失敗を考え、テレワークのあり方を議論した。

(左から)コクヨ 代表取締役 社長 黒田英邦氏、Zホールディングス 代表取締役社長Co-CEO 兼 ヤフー 代表取締役社長CEO 川邊健太郎氏
(左から)コクヨ 代表取締役 社長 黒田英邦氏、Zホールディングス 代表取締役社長Co-CEO 兼 ヤフー 代表取締役社長CEO 川邊健太郎氏

ヤフー「仕事の会話は未来永劫オンラインに引っ越し」

 コロナ禍を受けて政府が2020年4~5月に発出した緊急事態宣言は、われわれの生活のみならず働き方に大きな影響を与えた。当時から黒田氏と付き合いがあったという川邊氏は、コクヨのクリアホルダーブックを簡易的なフェイスシールドに使用できないかと相談を持ちかけていたと説明。川邊氏は当時を振り返った。

 「(緊急事態宣言を受けて自社のコワーキングスペースだった)LODGEに誰もいなくなり、衝撃を受けた。何かできないか考えていたところ、3Dプリンターとレーザーカッターが目にとまり、医療従事者の間で不足しているフェイスシールドを自作できるのでは、とスタッフに提案。社内からクリアホルダーブックをかき集めたが、曇っていて使えなかったため、コクヨさんに相談した次第」

 コロナ禍における先行きが不透明な状況から約1年が過ぎた。黒田氏が1年を振り返ってどうだったかを聞くと川邊氏は、「大きく2つ。デジタル化やインターネットの活用場面が多いことを再認識した。もう1つはわれわれの働き方が大変革を迎えた1年だった」と振り返る。

 ヤフーは2020年10月1日からリモートワークの回数制限解除やフレックスタイム勤務のコアタイムを廃止など、無制限リモートワークへの移行を宣言し、「いつ、どこで働いてもよいことにした」(川邊氏)

 一方で、新サービスのアイデアや既存サービスの改善などを提案する場であった“オフィス”という存在が絶たれたことにより、「(仕事に関わる)共通の会話をする空間は未来永劫オンラインに引っ越し」(川邊氏)という新制度に移行した背景を説明した。

 その結果、「従業員のパフォーマンスが変わらない、もしくは向上したと回答した社員は93%。自身のコンディションも90%に達した(2020年6月調査時点)。さらに移動時間が激減したことで、1日あたりの業務対応可能量が大幅に増加」(川邊氏)した。同社が提示したデータによれば、社内業務の達成率は以前の59.1%から78.8%に拡大している。

ヤフーが2020年10月から実施した「無制限リモートワーク」
ヤフーが2020年10月から実施した「無制限リモートワーク」

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