ここしばらく、Microsoftの「Cloud PC」に関する新しい情報はなかった。しかし関係者への取材によれば、数カ月後にはCloud PCのサービスが開始される可能性がある。
提供:Microsoft
筆者が取材した話では、仮想デスクトップサービスであるCloud PCの提供開始時期として、Microsoftは2021年6月または7月上旬を想定しているようだ。同社のパートナー向け年次カンファレンス「Inspire」は7月中旬の予定で、同社がパートナーにCloud PCの営業支援を要請するはずであることを考えれば、このタイミングは理に適っている。
2020年の記事で説明した通り、Cloud PC(コードネーム「Project Deschutes」)は、顧客が自分のデバイスをシンクライアントとして利用し、Windowsのリモートデスクトップにアクセスして「Microsoft Office」などのソフトウェアを使えるようにするAzureを利用したサービスだ。MicrosoftはCloud PCを「Microsoft 365」のマネージドサービスとして、定額料金で提供することを計画している。これは、Azureのリソース消費量に応じて料金が決まる既存サービス「Windows Virtual Desktop」の価格設定とは大きく異なる。
2020年にリークされた情報によれば、MicrosoftはCloud PCのサブスクリプションに幾つかのオプションを用意してくる可能性がある(Mediam、Heavy、Advancedなどのプランが想定され、CPU、RAM、ストレージの量が異なっているという)。
筆者はこの数週間、何度かCloud PCのサービスにアクセスを試みた。その1回目には「Cloud PCを使用できない。お客様の組織がこのサービスをサポートしていません」というメッセージが表示された。また「お客様の組織にはCloud PCのサブスクリプション権がありません」というメッセージが表示されたこともあった。筆者はこの2つのメッセージから、Microsoftは現在Cloud PCを非公開でテストしていると考えている。
Microsoftは、Cloud PCを「Windows 10X」のデバイスでWin32のアプリケーションを実行するための手段として利用するかもしれない。Windows 10Xは、今後リリースされる予定になっているChromeOSの対抗製品だ。これまでに報道されている話では、Windows 10Xでは、発売時点ではWin32のアプリケーションには対応していない。
Windows関連の別のニュースとして、Windows Centralは、2021年秋に予定されている「Sun Valley」と呼ばれるUXの変更に伴って、MicrosoftがWindows 10の「Microsoft Store」を大幅に見直す可能性があると報道している。新しくなったMicrosoft Storeでは、これまでは販売されていなかった「Microsoft Teams」や「Visual Studio」などのMicrosoft製品がダウンロードできるようになるかもしれないという。
その一方で、Microsoftはこの数年「Windows Store for Business」と「Windows Store for Education」の廃止に向けて動いており、この計画はそのまま進んでいるように見える。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。