Crocsのサンダルは2020年、ステイホームの際の必需品として台頭し、かつてないほどの高い需要を経験した。その結果、同社の流通センターはあっという間にキャパシティー面で立ち行かなくなったため、Eコマースのフルフィルメント業務をより規模の大きな倉庫へと急きょ移管することになった。その際、処理能力の強化や、作業時におけるリスク低減、規模の最適化を目指した自動化が提案された。
ここでロボット、具体的には6 River Systems(6RS)という企業の自動化ソリューションの出番がやってくることになった。
協働型のモバイルロボット「Chuck」を利用し、壁から壁までをくまなく網羅する6RSのフルフィルメントソリューションを採用したことで、Crocsのピッキング率は182%も向上した。このような高い処理能力は2020年のホリデーシーズンで大いに力を発揮し、同社は1日あたり最大4万もの商品を扱い、顧客の高まった期待に応えることができたのだった。
ロボットは規模の拡大に不可欠であり、そうしたソリューションは今や、かつてないほど迅速に、そして最小限の業務停止期間で実現できるようになっている。筆者は6RSの共同創業者であり共同最高経営責任者(CEO)でもあるJerome Dubois氏にインタビューし、Crocsのフルフィルメント業務の規模拡大において倉庫の自動化が不可欠だった理由や、業務の最適化がもたらす未来について語ってもらった。
——Crocsの場合、立ち上げや統合が迅速だったように思います。6RSは業務停止期間を最小限に抑える上での優先順位をどのように設定したのか、またどのようにして自動化ソリューションをそれほどの短期間で実動にまで持っていったのかを教えてください。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって、日常生活のほとんどを自宅で過ごすようになった中、Crocsの製品はあっという間に、快適さをもたらすための必需品になりました。その結果、2020年におけるCrocsのEコマース需要は同社の予想を超えたものとなり、こうした需要の高まりに応えるため、同社は2つ目の流通センターが必要だと考えるようになりました。
Crocsのチームはフルフィルメント業務の支援に向け、自律型モバイルロボット(AMR)であるChuckを活用し、壁から壁までをくまなく網羅するという当社のフルフィルメントソリューションを採用しました。Chuckは機械学習(ML)と人工知能(AI)を活用し、作業場所における共同作業者の歩行距離を最小限に抑えるとともに、彼らがタスクに集中できるように、またより効率的に作業を進められるようガイドしてくれます。
Crocsでの設計や統合、配備が完了するまでに要した期間は3カ月にも満たず、2020年のホリデーシーズンのピークに間に合わせることができました。この新倉庫での本番稼働が開始されたのは2020年10月初旬ですが、最初のピッキング作業からフル稼働に至るまでに要した日数はわずか2日でした。