一部のソフトウェア開発者にとって、在宅勤務は望ましい勤務形態ではないようだ。開発者の41%は、同僚と顔をつきあわせて仕事ができる環境を恋しいと思っており、安全になったらオフィスに戻りたいと考えている。
ソフトウェア開発プラットフォーム企業であるRollbarが実施した委託調査で、新型コロナウイルスによる在宅勤務の方針が開発者に与えた影響はさまざまであることが明らかになった。回答者の77%は在宅勤務が業務に大きな影響を与えたと答えたが、その回答は年齢層によって大きく異なっている。
Z世代に属する若い開発者の大半(90%)は、新型コロナウイルスが仕事に影響を与えたと答えた一方で、ベビーブーマー世代に属する年長の開発者は、52%が仕事に影響していないと考えているという。
このレポートは、Propeller Insightsが米国のソフトウェア開発者950人を対象として実施した調査に基づくものだ。
Rollbarの共同創業者であり同社の最高経営責任者(CEO)を務めるBrian Rue氏は、次のように述べている。「調査によれば、一部の開発者はリモートワークに苦しんでいる一方で、うまくいっている開発者もいる。ただし、半数近くの回答者はオフィスに戻りたいと答えている。共同で作業できる場に戻りたいと述べている回答者には、孤立感や仕事と生活の両立に悩んでいる人が多い」
開発者の約5分の1は、在宅勤務によってストレスが大きくなったと訴えている。そう回答した開発者は、健全なワークライフバランスを実現できておらず、自分の時間が減っているという。
またこれらの開発者は、予算の削減やチームの縮小、同僚と共同作業を行う機会が減ったことで仕事が難しくなったなどの問題にも言及している。
Rollbarの共同設立者であり、同社の最高技術責任者(CTO)を務めるCory Virok氏は、「コーディングはチームスポーツだ」と述べている。「開発者は自分の思考過程を他の人との対話の中で確認したがっている。この作業はZoomでやるよりもオフィスの方が簡単だ」
興味深いことに、開発者の約半数は、リモートで働くことは新しい経験だと答えた。34%はこの働き方を好んでおり、パンデミック後もリモートワークを継続したいと考えている。しかしRollbarの調査で、リモートワークが全員に向いているわけではないことが分かる。回答者の19%が在宅勤務によって心の健康にダメージを受けたと回答しており、10人に1人が家庭生活に悪影響を及ぼしたと述べている。
また、米国北東部の開発者は約半数がいつでもオフィスに戻れると考えており、南部では37%がオフィス生活に戻りたいとの意思を示している。これは、地域によって自宅で取れるオフィススペースが異なっていることが要因となっている可能性がある。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。