調査

開発者が"良い1日"を過ごすには?会議の影響は?--GitHubの調査で分かったこと

Liam Tung (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2021-05-29 08:30

 リモートで作業している開発者は中断を嫌い、複数の会議に参加する必要がある場合、必ずしも有用ではないと感じているかもしれない。Microsoft傘下のGitHubが実施した、小規模ながら興味深い調査の中で明らかになった。

 中断することで、一連の思考や作業の流れを断ち切る場合があると考えている人は多い。少し中断した後、作業に戻るのに10分かかることもあるかもしれない。さらにそれは、私たちが在宅勤務時にどのように感じるかということにも影響するようだ。

 GitHubは、中断が最小限、あるいは中断がない場合、開発者が良い1日を過ごせた可能性は82%であることが分かったとしている。1日の大半で中断がある場合、その数字はわずか7%に低下するという。

 調査の形式は興味深いものだった。GitHubは、コントリビューターであるエンジニア40人を募り、2週間の調査に参加してもらった。この調査で、エンジニアは1日に数回、簡単な調査に回答するよう求められた。GitHubによると、回答者が調査に対応できるかどうか定かではなかったが、1日を簡単に振り返る必要があったことを理由に、この短い調査を好意的にとらえた参加者がいたとの報告もあった。

 すべての回答者はリモートで作業した。回答者のレベルや地域、関わっているチームや製品はさまざまに及んだ。調査ではまず、彼らの1日が、「素晴らしい」「良い」「OK」「悪い」「ひどく悪い」のいずれに該当したかを評価するよう求めた。

 さらに、彼らの生産性の全体像を把握するために、回答は各々のその日のGitHubでの活動(プルリクエスト、コメント、プッシュなど)に関するデータにマッピングされた。各開発者に関する毎日の調査データと、彼らの毎日の活動に関するデータを結びつけることで、何が良い1日に寄与するのか、パターンを見いだす上で役立ったという。調査では、何が開発者のウェルビーイングや感じ方に寄与し、また生産性にどのように影響するかといったことを把握しようとした。

 また、オンラインのビデオ会議が多すぎる場合、開発者の生産性に悪影響を与えていることが分かった。会議が1日に2回の場合、目標に向けて進展する可能性は74%となっていたが、3回の場合は14%に低下した。

 GitHubのシニアリサーチャーEirini Kalliamvakou氏は、「会議が平均で1日に1回のみの開発者は、99%の確率で質の高い作業を実現する可能性がある。集中する時間を持つこと、同僚とつながってアイデアを引き出すことが非常に重要だということだ」と述べている

 そして、このような中断が成果に影響を及ぼす場合、開発者が1日についてどのように感じたかということにも影響していた。より多くのコードをプッシュし、プルリクエストを作成した開発者は、良い1日を過ごしたと感じる可能性が高いという。しかし、最も多くのプルリクエストを作成した開発者がベストな1日を過ごせたわけではないようだ。プルリクエストを作成することで流れを止め、1日を中断させる可能性があるためだ。

 GitHubは、「Good Day Project」の一環としてこの調査を実施し、開発者が良い1日を過ごす上で何が役立つかを見いだそうとした。

 さらにGitHubは、各参加者にそれぞれの回答に関するレポートを提供した。これは、1日の振り返りを促すうえで有用だったという。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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