新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって職場環境に大きな混乱がもたらされた。われわれの多くは2020年のほとんどの間、同僚と離れた場所で仕事をし、寝室やリビングルーム、あるいはその他の急ごしらえの作業場所から日々挨拶を交わすためにログインしていた。大変な年だった2020年が終わり、2021年を迎えたばかりの今、多くの人々はこの1年がどのような年になるのかについてあれこれ考えをめぐらせているはずだ。
ほぼ確実なことが1つある。それは、2020年に慌ただしく整えられたリモートワーク環境がここしばらくの間、使われ続けるというものだ。実際のところ、少なくとも一部の仕事を在宅でこなすというのは当分の間、新たな日常となりそうだ。その一方、組織は2020年初頭に比べると技術的な課題をより明確に把握できるようになっているとはいえ、この「ニューノーマル」を本当の意味で軌道に乗せようとするのであれば、乗り越えなければならない課題を依然として数多く抱えているはずだ。
以下は2021年、そしてそれ以降のリモートワークの未来に関する専門家の意見をまとめたものだ。
人々の心身の健康を守るために、テクノロジーとリーダーシップが融合する
企業は、従業員が一部(あるいはほとんどの)時間を自宅での作業に費やすという考えに基づいてオフィススペースの在り方を再考することで、場の共有によってもたらされるコラボレーションやコミュニケーションのメリットをどのようにして取り戻すのかを考える必要に迫られるだろう。
PwCで人と組織に関するリーダーを務めるFiona Camenzuli氏によると、企業は生産性を向上させるためだけでなく、長期にわたる在宅勤務による孤立の影響(2020年を通じて十分に裏付けられてきている)を緩和するために、テクノロジーと、高い共感能力を備えたリーダーシップスキルを融合させる直感的な方法を見出す必要があるという。
Camenzuli氏は米ZDNetに対して、「英国が初めてロックダウンを実施した際、最初の数カ月間は温和な気候の時期だったため、多くの人々は(メンタルヘルスを損なうことなく)在宅勤務へと移行した」と述べた。
「その選択を支援するテクノロジーが存在したことで、生産性やアジリティーが高まり、コラボレーションが進んだという報告も見受けられた。しかし、日照時間が短くなり、パンデミックによって生み出された不自由な生活が長引くにつれて、メンタルヘルスに負の影響がもたらされ、コラボレーションの『マジック』が見出しづらいものとなってきている」(Camenzuli氏)