産業用ネットワーク製品を手がけるMoxa Japanは8月31日、産業制御システムに対応した次世代ファイアウォールアプライアンスの新製品「IEF-G9010」シリーズを発表した。産業制御システムの稼働に考慮したセキュリティ対策を可能にするという。
同社は、産業用のシリアル接続機器やイーサネット製品などを手がけ、台湾に本拠を置く。産業制御システムでは、2010年代に入ってサイバーセキュリティの脅威が高まっており、産業制御システムインフラで拡散するマルウェアが増加しているほか、近年はランサムウェア攻撃や特定企業を狙う標的型攻撃などの被害も増えつつあるとする。
ただ、産業制御システムは高度な水準での安定稼働が必須で、いったん構築したシステムの構成や設定、運用などの変更が容易ではなく、ITシステムのようなサイバーセキュリティ対策を講じにくいという課題がある。
このため新製品は、Moxaとトレンドマイクロが合弁で設立したtxOneが開発するディープパケット解析技術を活用。産業制御システム特有のプロトコルや機能に対応し、IPS(不正侵入防御)や脆弱性の悪用を防止する仮想パッチ、DoS(サービス妨害)攻撃防御のセキュリティ機能を搭載する。
製品概要(Moxa Japanの説明資料より)
本体は8ポートを備え、スループットにおける遅延は500ミリ秒以下という。NAT機能も搭載する。動作環境の温度はマイナス40度~75度で、防塵仕様により苛酷なフィード環境でも運用できるという。
製品価格はオープンで、9月1日に受注を開始する。