Moody'sは米国時間9月13日、サイバーセキュリティ企業BitSightに投資し、協働して「包括的で統合化された、業界をリードするようなサイバーセキュリティリスクプラットフォーム」を作り上げると発表した。
Moody'sはBitSightに2億5000万ドル(約270億円)を投資する。BitSightはMoody'sとグローバルベンチャーグループのTeam8が共同で設立したサイバーリスク評価ベンチャー企業VisibleRiskを買収する。
Moody'sの最高経営責任者(CEO)Rob Fauber氏は声明で、組織はサイバー攻撃に対する防御力と回復力に投資し続ける中、サイバーリスクと財務上のエクスポージャーを正確に評価し、定量化する手段を必要としていると述べた。
Fauber氏は、「組織が複雑で相互につながったリスクを評価し、より十分な情報に基づいて判断できるようにするため、透明性を生み出し、信用をもたらすことはMoody'sのミッションの中核となっている」とした。
「BitSightはサイバーセキュリティレーティング分野のリーダーだ。私たちは共同で、さまざまな領域の市場参加者がサイバーリスクをより良く理解、測定、管理し、それを財務上の損失リスクに置き換えて把握できるよう支援していく」
Moody'sは、傘下のInvestors Serviceによる、サイバー攻撃の脆弱性と影響に関するレビューにおいて、13の分野で高リスク、あるいは中の高程度のリスクがあり、「評価された債務の総額は20兆ドル(約2200兆円)を超える」という知見が導き出されたとしている。
Moody'sによると、BitSightは世界で、多くのFortune 500企業、政府機関、保険会社、資産管理会社などを含む、2300を超える顧客を擁する。
BitSightはVisibleRiskを買収することで、サイバー攻撃がもたらすリスクの評価機能を追加すると共に、サイバーリスクに対する組織の財務上のエクスポージャーを分析、算出する能力を強化できると述べた。今回の投資により、BitSightの企業価値は24億ドル(約2600億円)に増加する。
BitSightのCEOであるSteve Harvey氏は、Moody'sとのパートナーシップとVisibleRiskの買収で、「ますますデジタル化する世界で、顧客がサイバーリスクを管理する上で支援」するためにリーチを拡大できるようになるとした。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。