中国の工業情報化部(MIIT)は現地時間12月28日、同国が2025年までにロボティクス分野で世界のイノベーションハブになることを目指す5カ年計画を発表した。目標を達成するために、サーボモーターや制御パネルといった主要コンポーネントの性能強化に注力していくという。
MIITはこの5カ年計画の中で、同国のロボティクス業界の売上高が2021年から2025年の間に年平均で20%成長すると予想している。
中国のロボティクス業界は2016~2020年に平均15%の成長を遂げ、売上高は2020年に初めて1000億元(約1兆8000億円)を突破した。
MIITによると、中国の製造業におけるロボット密度は2020年、1万人あたり246台となっており、世界平均のほぼ倍となっていた。この指標は、国家の自動化レベルを測るものとして用いられている。
MIITのWang Weiming(王衛明)氏は、国営新聞China Daily(中国日報)の記事で、この数字を2025年までに2倍にしたい考えを示した。
Wang氏は、減速装置やサーボモーター、制御装置といった、ロボットを構成する中核コンポーネントでブレークスルーを加速するための協調的な取り組みを実施するとしている。また同氏は、これら3つのコンポーネントは、洗練された自動化機械を構成する上での基本的なコンポーネントとされていると述べた。
同氏は、「鍵となるこれらの国産コンポーネントの性能と信頼性を、2025年までに先進的な外国製品に匹敵する水準に引き上げることが目標だ」としている。
中国政府は、ハイエンドの先進的なロボットが、自動車製造や航空宇宙、鉄道、ロジスティクス、鉱業といったさまざまな分野で導入されるようになると見込んでいる。
国際ロボット連盟(IFR)の2021年版年次報告書「World Robotics Report」によると、2020年の世界の製造業におけるロボット密度は従業員1万人あたり平均126台だった。この数字は、2015年には66台だった。最も自動化が進んでいる上位3カ国はアジア太平洋地域の国家で、ロボット密度は韓国が従業員1万人あたり932台、シンガポールが605台、日本が390台となっている。4位はドイツ、5位はスウェーデンだ。
地域別の平均ロボット密度は、アジア/オーストラリア地域が134台と最も高く、欧州地域の123台、南北アメリカ地域の111台が続いた。
同報告書は、中国におけるロボット設置台数が大幅に増加しており、同国のロボット密度は世界的に見て「最もダイナミック」な成長を遂げていると指摘している。同国のロボット密度は2015年の49台から2020年には246台に増加した。ロボット密度のランキングでは、数年前には25位だったが、現在は9位に上昇している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。