NECは2月24日、同社内のデジタルトランスフォーメーション(社内DX)の取り組み強化と社内DXを生かした事業展開に向けて、SAPとの戦略的協業を強化すると発表した。SAPのDX支援策「RISE with SAP」を海外グループ会社で新たに採用する。
NECは、2021年6月に社内DX推進策を発表し、推進部門の「Transformation Office」を組織した。社内DXでは、SAPの統合基幹業務システム「SAP S/4 HANA」などのSAPの各種ソリューションを活用。制度や業務プロセス、組織、システムを根本的に見直し、業務プロセスを徹底的に標準化、簡素化、自動化して社員の業務時間の多くを付加価値創出に割り当てられるようにしているほか、業務プロセスで蓄積されたデータを経営の高度化に利用しているとする。
協業拡大を発表したNEC 社長兼CEO(最高経営責任者)の森田隆之氏(写真左)とSAP CEOのChristian Klein氏
今回の協業強化では、S/4 HANAを用いるソリューション「Business Process Intelligence」を採用して、業務プロセスの標準化をさらに推進し、海外のグループ会社では「RISE with SAP」を適用する。
また、社内DXの取り組みで得たノウハウを体系化し、社外の顧客向けに販売を強化する。NECグループに所属するSAPコンサルタント数は国内最大といい、傘下のアビームコンサルティングのリソースも活用して外部顧客にRISE with SAPを含むNECのSAPソリューションを拡販するとした。
この他にNECは、同社の生体認証技術およびサイバーセキュリティ領域における知見とSAPの技術を組み合わせた「社会価値創造」の事業を推進することにしている。