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NEC、社内DX戦略を発表--社長直下に全社横断の推進室設置

國谷武史 (編集部)

2021-06-14 15:22

 NECは6月14日、同社自身のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための新たな戦略を発表した。代表取締役 執行役員社長 兼 CEO(最高経営責任者)の森田隆之氏の直下にこの取り組みを推進する「Transformation Office」も新設する。同日の会見で森田氏は、これで獲得したDXの知見やノウハウを顧客や社会のDX推進のために提供していくと表明した。

NEC社内のDXを説明する社長兼CEOの森田隆之氏(右)と常務兼CIO兼CISOの小玉浩氏
NEC社内のDXを説明する社長兼CEOの森田隆之氏(右)と常務兼CIO兼CISOの小玉浩氏

 同社は、5月12日に発表した2025年度と目標とする中期経営計画の中で、重点テーマの1つに「コアDX」を掲げる。コアDXは、国内IT事業を従来の個別最適から全体最適に転換して、営業利益率を8%から13%に高めるものとなる。コアDXでは、NEC内部のDX(「コーポレートトランスフォーメーション」と呼称)をベースに位置づけ、その成果をレファンレンスとして顧客に提供するという。森田氏は、「NECのDXの取り組みが世界最先端のレファレンスとなり、このレファンレンスを社会に提供することで、DXを推進していく」と述べた。

「Transformation Office」の概要
「Transformation Office」の概要

 コーポレートトランスフォーメーションの取り組みとしては、社内ERP(統合基幹業務システム)をAmazon Web Services(AWS)が稼働基盤となるSAP S/4HANAに移行中であるほか、2019年から社員10万人規模のリモートワークを可能にする「Smart Work」を運用している。これらを含む各種施策は各CxO指揮のもとで行われてきたが、新設のTransformation Officeはその上位に位置づけられる。森田氏がTransformation Officeを所管し、各CxOが管轄するDX関連の取り組みを全社横断の形で展開する役割を担うという。

 森田氏は、「従来の制度、プロセス・組織、ITに、データと人を加えた『三位一体Plus Oneの改革』でDXのプロジェクトを推進していく」と説明した。

 Transformation Office長には、執行役員常務兼CIO(最高情報責任者)兼CISO(最高情報セキュリティ責任者)の小玉浩氏が就任した。同氏は、コーポレートトランスフォーメーションを推進する「エンドツーエンド データドリブン経営」「コーポレート機能のリデザイン」「SmartWork2.0」「次世代デジタル基盤改革」「グローバルパートナーとの連携強化」の5つの施策を紹介し、「レジリエンス(復元性)とアジリティー(俊敏性)を基本コンセプトに、徹底的な標準化と企業ベースレジストリーの再構築を図り、コーポレートトランスフォーメーションとカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)の2つの『CX』を目指す」と意気込みを語った。

社内DXに向けた取り組みの全体像
社内DXに向けた取り組みの全体像

 エンドツーエンド データドリブン経営では、これまで営業や経理・財務、人事、調達といった各種の経営リソースにまつわるデータをデータレイクに集約しビジネスインテリジェンス(BI)で使用する環境は整備したという。だが、活用にはまだ不十分といい、これを単一のデータソースとして価値創造につなげていく基盤(ベースレジストリーと呼称)に再構築し、「財務だけでなく非財務も含むデータを可視化して圧倒的な高度な経営基盤を実現し、人材がより本務に専念して成長を図る」(小玉氏)

 コーポレート機能のリデザインでは、経理や人事などの管理部門機能を再編、CxOと事業部門をつなぐ「ビジネスパートナー」の役割を構築し、エンドツーエンド データドリブン経営の推進と高度なコーポレートガバナンスの確立を担うという。また、新設のTransformation Officeがデータのガバナンスを所管する。

データガバナンスの取り組み
データガバナンスの取り組み

 SmartWork2.0では、目標を従前の「働きやすさ」から「働きがい」にする。従前の取り組みで現在のテレワーク率は85%、1日当たりのウェブ会議開催数は約3万1000回になり、社員アンケートで柔軟な働き方や業務効率化の効果を感じるとする回答が2018年から増えたという。働きがいの実現に向けては、就業場所の制約の撤廃、協働作業環境の普及とそれらのためのテクノロジー導入を図るとした。

「働きがい」向上で採用するテクノロジー一覧
「働きがい」向上で採用するテクノロジー一覧

 次世代デジタル基盤改革は、ERPの更改とクラウド化、単一のデータソースによるデータ活用基盤の実現を挙げる。小玉氏によれば、ERPの更改とクラウド化により社内システムを約1400から約700に半減させるといい、これまでに全システムの19%でモダナイズ化を完了、社内の総ITコストを3割削減したという。引き続きデータドリブン経営に資するITシステム環境を整備していく。

新たな基幹系システムのアーキテクチャー
新たな基幹系システムのアーキテクチャー
データプラットフォームの概要
データプラットフォームの概要

 グローバルパートナーとの連携強化では、ERPの更改とクラウド化でも連携するSAPとAWSにServiceNowを加え、働き方ではMicrosoftとの協業体制を強化するという。

 小玉氏は、これらの取り組みで得た経験やノウハウなどを社外向けDX支援ビジネスで展開すると説明。実績として、既に提供中のDXコンサルティングサービスと新しい働き方の実現支援のサービスが該当するとした。

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