Google Cloudは米国時間3月14日、インフラ製品の一部について10月1日から価格を引き上げると発表した。
Google Cloudのインフラ担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるSachin Gupta氏は今回の価格改定について、同社が近年実施しているクラウドインフラへの投資を反映したものだと述べている。
Gupta氏はブログで、「またこれらの価格改定は、他の大手クラウドプロバイダーによる同種製品の価格との整合性を高める目的も有している。これにより顧客は、大手クラウドプロバイダーの価格をより容易に比較できるようになる」と説明した。
同氏は、今回の改定によって「新たな製品オプションや新機能を備えた、柔軟性の高い新たなSKUとともに、自らが使用している製品に対する支払い方法に関するより多くの選択肢」を顧客に提供できるとしている。
改定内容には、データレプリケーション(複製)料金や、同一大陸内におけるGoogle Cloudサービスの複数のリージョンに分散されているクラウドストレージバケットからデータを読み込むためのネットワークエグレス料金の導入が含まれている。
また、「ネットワークトポロジ」サービスの価格も改定され、リソース時間あたりの利用料金が0.0011ドル(約0.13円)となる。なお、このサービスを使えば「Network Intelligence Center」のパフォーマンスダッシュボードを追加料金なしで利用できる。同社がこのツールを最初にリリースした際には無料サービスとして利用可能になっていた。
さらにGoogle Cloudは、アウトバウンドのトラフィックデータ処理に対する同社のロードバランシング製品の利用について、リージョンに基づき1GBあたり0.008~0.012ドル(約0.95~1.42円)を課金するようになる。これは、「『Google Cloud Load Balancing』ポートフォリオのサービスのさまざまなコストとの一貫性や整合性を維持する」ためだという。従来の課金対象は、インバウンドのトラフィックデータ処理に対するクラウドロードバランシングのみとなっていた。
しかし、今回発表されたのは価格の引き上げばかりではない。デュアルリージョンの「Nam4」と「Eur4」におけるコールドラインストレージサービスとアーカイブストレージサービスの価格は引き下げられる。また、デュアルリージョンの「Asia1」におけるアーカイブストレージの価格も引き下げられる。
Google Cloudは同社のパーシステントディスク(PD)の標準スナップショットストレージの価格を引き上げる一方で、PD向けのより低コストとなる新たなアーカイブスナップショットオプションをロールアウトする計画だ。同社はこれにより、コンプライアンスと、アーカイブに関するユースケースがコンピュート集約型のDevOpsワークロードに比べてより安価になるとしている。
また同社によると、変動型や固定型の割引が適用された既存契約を有している顧客は、その契約が更新されるまで、今回の価格改定の影響を受けないという。
さらに同社は、クラウドストレージ内でのストレージ転送サービスが2022年4月2日から年末までは無料で利用できる点を指摘した上で、同サービスを利用して適切なクラウドストレージバケットのロケーションを選択しておくようアドバイスしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。