「Spring4Shell」脆弱性、ボットネットで悪用されている恐れ

Liam Tung (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2022-04-12 13:15

 セキュリティ企業は、Javaフレームワーク「Spring Framework」に存在する「Spring4Shell」と呼ばれる脆弱性が、システムにマルウェアをインストールするために悪用されていると警告を発している。

 セキュリティ企業のTrend MicroとQihoo 360の研究者は、この脆弱性に関する情報が公開された直後から攻撃が始まっていることを確認しているという。

 Spring4Shellの問題は「Log4Shell」ほど深刻ではないとみられているものの、ほとんどのセキュリティ企業や、米政府のサイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)、Microsoftなどが、Java Development Kit(JDK)のバージョン9.0以降を使用しており、Spring Frameworkのバージョン5.3.0~5.3.17、5.2.0~5.2.19、またはそれ以前を使用している場合にはパッチを適用する必要があると呼びかけている

 Qihoo 360の研究者らは米国時間4月1日時点で、「3月30日以降、さまざまなwebshellなどのさらなる試みが見られ始めており、ベンダーがアドバイザリーを公開してから1日も経過していない本日2022-04-01 11:33:09(GMT+8)には、ある『Mirai』の亜種が、競争を制してこの脆弱性を利用する最初のボットネットになった」と指摘している。

 Trend Microの研究者らも同様の状況を観測している。

 Trend Microの研究者らは8日、「当社は、Spring4Shellの活発な悪用事例を観測している。これらの事例では、悪意を持った攻撃者が、特にシンガポール地域の脆弱なサーバー上で、Miraiボットネットのマルウェアを兵器化して実行することに成功している」と述べている

 Palo Alto NetworksのUnit 42チームは、Spring4Shellはほぼ確実に兵器化されると予想している。これは、この脆弱性を悪用するのが簡単で、そのための詳細情報が3月31日にすべて明らかになっているためだ。

 Spring4Shellに関連する主な脆弱性にはCVE-2022-22965やCVE-2022-22963がある。

 ボットネットの「Mirai」とその亜種は、現在もインターネット上の大きな脅威の1つだ。Miraは、DDoS(分散型サービス妨害)攻撃をはじめ、暗号資産(仮想通貨)マイナーなどにも利用されている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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