「LastPass」は2021年、無料プランにいくつかの大きな変更を加えることを発表した。これにより、LastPassの無料プランは、複数のモバイルデバイスやコンピューターで自分のパスワードにアクセスしたいユーザーにとって、非常に制限の多いものになった。
先に進む前に、お伝えしておきたいことがある。筆者は長年、LastPassの「Premium」プランを使用しており、同サービスに100%満足している。月額3ドルで利用できることを考えると、かなり優れたサービスだ。
しかし、以前は無料だったものにお金を払いたくないという心情も理解できる。また、友人や家族に対して、パスワードマネージャーを使用するよう説得することがそもそもかなり難しい場合もある。その上、毎月料金がかかるとなれば、彼らに納得してもらうのはより困難になるだろう。
それでは、LastPassの代替サービスを見ていこう。
Appleの「iCloudキーチェーン」
Appleユーザーに最適
Appleのエコシステムをすでに使用しているのであれば、これは素晴らしい選択肢だ。パスワードを1つのデバイスで保存すれば、すべてのAppleデバイスで利用できるようになる。
ウェブやアプリのログイン情報を保存するのに最適だが、そのほかのパスワードやPINコードなどにはあまり適していない。
無料だが、Appleのエコシステムの使用を開始するには、コストがかかる。
長所
- Appleのエコシステム全体でシームレスに機能する。
- 使いやすい。
短所
- Apple以外のデバイスでは使えない。
- Appleのエコシステムの使用を開始するには、高いコストがかかる。
「Google Chrome」のパスワードストレージ
Google Chromeユーザーに最適
Google Chromeを使っている人は、クロスプラットフォームのパスワードマネージャーをすでに使用している。このパスワードマネージャーは、Google Chromeがインストールされており、ユーザーのGoogleアカウントにログイン済みのすべてのデバイスで機能する。
ウェブやアプリのログイン情報を保存するのに最適だが、そのほかのパスワードやPINコードなどにはあまり適していない。
長所
- Google Chromeユーザー向けの優れたクロスプラットフォームソリューション。
- さまざまなデバイスでパスワードにアクセス可能。
短所
- パスワードのみをサポートしているので、PINコードなど、ほかのデータを保存することはできない。
- 専用のパスワードマネージャーのような高度なセキュリティ機能は備えていない。
「Bitwarden」
さまざまなプラットフォームに対応したソリューションが必要な場合に最適
これは読者から提案されたアプリだ。
Bitwardenは、「パスワードセキュリティツールには、誰でもアクセスできるべきだ」と述べている。この主張を実践するため、同社は、すべてのデバイス間での無制限の同期機能、パスワードジェネレーター、さらにはデータをセルフホストするオプションも含む無料のサブスクリプションを提供している。
さらに、さまざまなプラットフォームにも対応しており、「Windows」「Mac」「Linux」「iOS」「Android」向けのソリューションを提供する。ブラウザーについては、Chrome、「Firefox」「Safari」「Microsoft Edge」などをサポートしている。
年額10ドル(そう、月額ではなく年額だ)を払えば、「Bitwarden Authenticator」、1GBの安全なストレージ、「YubiKey」や「U2F」「Duo」を使用した2段階ログイン、「Vault Health Reports」(ボールトヘルスレポート)、緊急アクセスを設定する機能など、高度な機能群も利用可能になる。