NECは、ベトナムの公安省(Ministry of Public Security:MOPS)に、顔と指紋を組み合わせたマルチモーダル生体認証システムを提供した。これによりベトナム政府の進めるデジタルトランスフォーメーション(DX)計画の一部である新しい国民IDシステムの実現に貢献した。
同システムは、デジタルIDカードの新規発行時や社会保険などの行政サービス利用時の本人確認に利用され、IDの重複発行や不正利用の防止を支援する。
同システムで利用される顔認証技術は、米国立標準技術研究所(NIST)による顔認証ベンチマークテスト(FRVT 2018)で5回目の第1位を獲得している。これと指紋認証技術を統合し認証を実行することで厳格な本人確認が必要な利用環境においてもセキュアかつ高速な認証が可能だ。
MOPSは2021年2月に、ベトナム国民の生活を近代化するため新しい国民IDシステムを導入し、従来の紙ベースからデジタルでのID管理へ移行した。国民一人ひとりに12桁の数字からなるIDを発行することで、国民が公平に行政サービスを受けられることをめざしている。現在までに、5000万枚以上の新しいデジタルIDカードが発行されている。