大成建設は、クラウドを利用した建物ライフサイクル管理サービス「LCMC」(LifeCycle Management Console)に、業界初となるサブスクリプション方式を導入し、提供を開始した。
同社は現在、「御茶ノ水ソラシティ」(東京都千代田区)で先行提供したベータ版による現場実証データを今回のサービスに反映させている。今後実証データを基に機能改善を進め、今夏から正式版を提供する予定だ。人工知能(AI)やIoTを活用したクラウドサービスにより、不動産価値の向上と建物保守業務の効率化を図っていく。
LifeCycleOSとLCMCの概念図
LCMCの主な機能概要
今回のサービスは、同社が日本マイクロソフトと協業し、「Microsoft Azure」上に構築した建物プラットフォーム「LifeCycleOS」を活用する。このプラットフォームは、BIM(ビル情報管理)とIoTを融合した仕組みで、ここから取得したIoTデータを活用して建物管理業務を自動化し、導入や運用のコストの最小化、サービスの選択範囲の拡大などが図れるサブスクリプション方式で提供する。
LCMCを導入するメリットは、コスト効果や常時最新の状態で利用できることに加え、建物の状況を瞬時に把握・分析して「使える」状態に加工したデータを提供することができ、施設管理者が「次を考える」ことに集中できることなどがあるという。
また、情報をデータ化、オンライン化してリアルタイムに収集・整理し、デバイスを問わず、どこからでも安全に同じ情報にアクセスできることや、蓄積されたデータの分析から建物に生じる不具合を予測でき、誰でも最適なメンテナンス時期や対策を実施することなとが挙げられている。