MuleSoft Researchは、世界のIT担当シニアリーダー1000人に実施したインタビューに基づいて作成したレポート「IT Leaders Pulse Report 2022」を発表した。レポートによれば、企業はベストオブブリード方式で技術を組み合わせるようになっており、従業員や顧客につながりのある体験を提供するために、ローコード/ノーコード開発ツールを事業部門に提供してその能力を高めているという。この調査の回答者は、全員が従業員数あるいは職員数が1000人以上の官民の組織でITに関する業務を担当するシニアリーダーだ。
この記事では、同レポートの調査結果から、最高情報責任者(CIO)やITリーダーが念頭に置いておくべき20のポイントを紹介する。
- 体験の重要性が増している。多くの組織は、従業員や職員の大量辞職を経たことで、人材を引きつけ維持するために、優れた従業員体験を提供することの重要性を理解しつつある。優れた体験の提供は、顧客とのやりとりに関しても期待されている。現在では、ITリーダーの86%が、組織が提供する体験は製品やサービスと同じくらい重要であると考えている。
- 成功できるかどうかは、テクノロジーで提供する体験に依存する。回答者のおよそ5人に4人が、顧客が直接接するテクノロジーや従業員が接するテクノロジーが、競争力を高める上で非常に重要だと考えている。
- 従業員のウェルビーイングが優先順位の高い投資対象になっている。回答者の過半数が、今後12カ月の間にIT部門の従業員のウェルビーイングに投資する計画があると述べており、スキルアップや人員の増加よりも優先順位が高かった。これには、リモートワークや柔軟な勤務を行うための機能の改善が含まれている。また、ITリーダーの10人に9人近くが、スタッフに対する投資は非常に重要であると考えていた。
- スキル不足の問題がさまざまなIT機能に広がっている。IT部門にとって、新しい技術を導入・管理する際にスキル不足が起きることは新しい話ではない。ところが今は、大量離職によって、幅広いIT機能のスキルが不足するようになっている。ITリーダーの5人に3人(60%)は、ITインフラおよびソリューションアーキテクチャ分野のスキルが不足していると述べており、クラウドやインフラの管理に関しては半数弱の回答者(45%)がスキルが不足していると回答していた。