日本IBMは3月1日、グローバル・ビジネス・サービス事業に関する2010年の事業戦略および体制について発表した。同社では、4月1日付けでIBCSを統合することを発表しており、新体制による戦略などについても説明した。
日本IBM専務執行役員、グローバル・ビジネス・サービス事業担当のRandy Hendricks氏
日本IBM専務執行役員、グローバル・ビジネス・サービス事業担当のRandy Hendricks氏は、「日本IBMのGBS(グローバル・ビジネス・サービス)と、IBMビジネスコンサルティングサービス(IBCS)との統合ステップは最終段階に入ってきた。GBSとIBCSがひとつとなって価値を提供することになる」と前置きし、「日本IBMが持つイノベーション、高いビジネス価値を、顧客に対してスピーディーに提供することができるようになる。日本のGBSの価値は、日本IBMの価値を高めることにつながる」とした。
また、IBCSの社長を務める日本IBM専務執行役員、グローバル・ビジネス・サービス事業セクター統括担当の椎木茂氏は、「多くの企業が求めているのは、コンサルティングだけでなく、導入やハード、ソフト、サービスを含めたソリューション提案である。別個の企業体制でも提供できないことはないが、より迅速に対応できるという顧客視点から統合を図った。また、人材やグローバルなケイパビリティを含めて、IBMが持つ数多くのアセットにアクセスできるようになる。個別のサービスが求められているのではないという状況や迅速性が求められているという点で、統合は今の顧客の要求に対応したものである」としたほか、「IBMのバリューを高めることはあっても、それを下げることはない。IBMのトランスフォーメーションを実現するひとつのスタートになる。IBMのサービスをより統合し、またお客様のビジネスをより統合することで、お客様のビジネスの成功を共創することができる真のTrusted Partnerを目指す」などとした。
日本IBM専務執行役員、グローバル・ビジネス・サービス事業セクター統括担当の椎木茂氏
グローバル・ビジネス・サービス戦略を実現する体制として、金融、保険、電機、自動車などの業界を熟知したインダストリ別体制と、S&T(ストラテジー&トランスフォーメーション)、BAO(ビジネス・アナリティクス&オプティマイゼーション)、EA-SAP/Oracle(エンタープライズ・アプリケーション SAP/Oracle)、AIS(アプリケーション・イノベーション・サービス)、AMS(アプリケーション・マネジメント・サービス)といったサービススキルを持った体制とを組み合わせることで、チーム一体となり顧客に総合的な価値を提供できる組織モデルを構築。経営戦略策定の支援から、情報システムの構築、運用、アウトソーシングまで一貫して支援するという。
一方、日本IBM執行役員、グローバル・ビジネス・サービス事業ストラテジー&トランスフォーメーション担当の金巻龍一氏は、S&Tにおける新たな「戦略コンサルティングサービス」について説明した。
日本IBM執行役員、グローバル・ビジネス・サービス事業ストラテジー&トランスフォーメーション担当の金巻龍一氏
これまで、同社の戦略コンサルティングサービスは、「ストラテジー&チェンジ」とされていたが、2010年1月にカスタマーリレーションシップマネジメント、フィナンシャルマネジメント、ヒューマンキャピタルマネジメント、サプライチェーンマネジメントの5つを、新たに戦略コンサルティングサービス(ストラテジー&トランスフォーメーション)とし、これに対応した専任グループを発足。「Business Innovation&Growth」「Operation Excellence&Efficiency」「People&Talent」を3つのコアコンピテンシとして提案を進めるという。
さらに、戦略コンサルティンググループでは、交通や医療といった観点からの「Smarter Planet」、新興国市場参入、IFRS、グローバリゼーション、クラウドなどの「業界別ホットトピック」、グローバル経営管理やグローバルタレントマネジメントといった「IBMアセットベース」という3つのポイントからの提案を行う。
「業界別ホットトピックの一例を、新興国市場参入という観点で挙げれば、全世界175カ国のコンサルティングサービスの拠点を活用して一斉に調査を行い、圧倒的な情報量を提供するといった深く踏み込んだコンサルティングが可能になる」などとしたほか、「製造業がモノを作らなくなったり、流通業がモノを作ったりと、業種そのものが変化したり、業界の枠を越えたりといったことが見られてきた。また、ISOやIFRSといったグローバルスタンダードに準拠するような動きも出てきた。個別のソリューションや業界別といったプロセスの呪縛から離れることが必要というのが今回の新たな体制の仕組みとする」とした。
また、日本IBMでは、企業変革PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の専門組織を新設し、ユーザー企業に常駐して支援する体制を取るほか、顧客とのディスカッションのための新たな工夫として「Proposal on 4」と呼ばれる提案を開始。「40枚もの提案書を見ても、後で検討するという話になるだけ。提案書がしゃべるのではなく、人がしゃべることが大切。4枚にまとめた形で、経営者が集中できる15分間に提案することができる仕組み」と位置づける。
業界別のホットトピックのインパクトを数字で表現する「Business Impact “Why act,Now”」、課題解決に向けてのロードマップのオプションを表示する「Solution&Components “Why Consulting”」、IBMがなぜその分野で価値を発揮できるのかを説明する「Why IBM “Proof Points”」、それぞれの顧客の状況に合わせた課題解決支援サービスメニューである「Service Menu “Implemention Alternatives”」の「4枚の提案書」からサービスを提案するという。
日本IBMが新たに導入する「Proposal on 4」。4枚にまとめた提案書をもとに、経営者とディスカッションを深めていくという。
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