松岡功の一言もの申す

人事評価の仕方にもPDCAを回すべし

松岡功

2014-09-30 14:19

 日立製作所が10月から国内管理職を対象に新たな人事評価制度を導入する。この機に人事評価制度について一言もの申し上げておきたい。

世界共通の人事評価基準を採用

 日立製作所が先頃、国内管理職の約1万1000人の賃金体系について、年功要素を廃して世界共通の人事評価基準で決める仕組みを10月から採用すると発表した。こうした仕組みにより、仕事の役割の大きさと個人・組織の成果評価を直接的に報酬に反映し、組織と個人の成果を最大化することで、グローバル競争で勝ち抜く個人と組織づくりを目指す構えだ。

 同社では従来、国内の人事評価制度は各社員の職務遂行能力などに応じた資格を基準としていた。資格ごとに賃金・賞与のレンジを設定し、そのレンジの中で成果評価に応じて金額を増減させる仕組みとなっていた。だが、同じ資格でも役割の大きさは社員ごとに異なる場合があり、役割の大きさを報酬に反映する新たな仕組みが必要となっていた。

 2011年10月からは、国内管理職を対象として、資格に基づく資格給と職位に基づく職加算給の2つの要素からなる賃金体系を導入したが、職位のレベルや呼称が組織によって異なるなどの課題があった。

 そこで今回、この10月からは、同社グループの世界共通の尺度で役割の大きさを格付けした「日立グローバル・グレード」(管理職以上の7グレード)を国内管理職の賃金・賞与の基準とすることにした。同時に、世界共通の業務プロセス管理・成果評価の仕組みである「グローバル・パフォーマンス・マネジメント」による成果評価と賃金・賞与の決定基準を連動させることで、役割の大きさ・成果評価と報酬の関係を一層明確にした形だ。

 また、2015年度からは業績向上への意欲を一層高めることを目的として、年初にグローバル・パフォーマンス・マネジメントで設定する組織と個人の目標に対応する「期待年収」を提示する。その上で、1年間の事業運営を通じた組織と個人の業績の結果を賞与に反映する。これにより、個人・組織の年度業績と、一人ひとりの人事評価との連動を明確化し、年度当初に設定した目標達成にとどまらない業績向上への意欲を喚起するとしている。

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