外国人上司と日本人上司、こんなに違う7つの選択

富永恭子 (ロビンソン) 2011年10月24日 11時30分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 企業のグローバル化がますます進んでいる。その結果、外国人上司の下で働くことも増えてくるだろう。外国人上司と日本人上司では、どのくらい考え方が違うのだろうか。両者の間にプロジェクトマネジメントで異なる点はなにか。

 今回、ソフトウェア開発における外国人上司と日本人上司の意思決定の違いについて、匿名の経験者に話を聞いた。氏は誰もが知る日本の大手電機メーカーのグループ会社を経て、現在は外資系IT企業に勤務している。日本企業では日本人上司と、現在所属する企業では外国人上司と仕事をしており、ソフトウェア開発の進め方に大きな差異があると語ってくれた。

1. 「ベストケース」と「ワーストケース」どっちを選ぶ?

 たとえば、新規のソフトウェア開発プロジェクトがあるとしよう。トラブルがなく、すべてが順調であるなら3カ月でできるかもしれないが、何かトラブルがあれば9カ月かかるかもしれない。

 こういう時、トラブルがあった場合の最悪のケースを想定し、迷わず「9カ月」のスケジュールを選ぶのが外国人上司だ。スケジュール内にプロジェクトを完成できないことのほうが重大で、結果として順調に進み、早く完成できたら、それはそれで良いと考えている。

 一方、日本人上司の場合は、たいてい「3カ月」を選ぶという。日本人は、相手(上司の上司)への「良い印象」を重視するから、期待に応えようとする。また、失敗を嫌う傾向があるので、必然的にベストケースを想定することになる。そのため、最短のスケジュールを選ぶのだという。

 タイトな3カ月スケジュールでも、プロジェクトが何事もなくうまく進めば、誰よりも短期間で開発して完成させ、他社を出しぬくことができる。しかし、ソフトウェア開発は不確定要素も多く、トラブルや手戻りでスケジュールが押してしまうことが多いのも事実だ。その場合、計画通りに完成させるために、最後は残業につぐ残業が続くことになる。そうなれば、まさに「デスマーチ」だ。なんとかやり遂げたとしても、プロジェクトが終わった頃には、メンバー全員がクタクタに疲弊している。だが、その疲れを癒す間もなく、次のプロジェクトが始まるのだ。

2. もし、失敗してしまったら?

 無理なスケジュールでも、運が良ければプロジェクトはうまくいく。しかし、いくら頑張ってもスケジュール通りに完成しないこともある。最悪の場合、それは失敗プロジェクトになる。

 こんなとき、外国人上司は反省会を行う。これは、責任を追求するというよりは、失敗を共有するために行う。同じ失敗を繰り返さないために、プロジェクトのメンバーだけでなく、プロジェクト以外の人たちとも情報を共有することが目的だ。

 一方、日本では、失敗したプロジェクトはたいてい忘却の彼方に追いやられる。それは「失敗が許されない」文化のせいだ。日本の場合、失敗すると誰かが、どこかの部門が責任を取らなければならない。だから、そのプロジェクトが「存在しなかったこと」にするのがいちばんなのだ。

 プロジェクトは文字通り消えてしまう。そのおかげで誰も責められることはない。ただ、消えたプロジェクトを共有することはないため、他のプロジェクトで同じ失敗を繰り返すこともある。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
企業決算を追う
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化