日立、スパコン「SR24000」--「POWER8」搭載、流体解析などで性能発揮

NO BUDGET

2014-09-17 06:15

 日立製作所は9月16日、流体解析や気象予測などの大規模シミュレーションに高い性能を発揮するというスーパーコンピュータ「SR24000」シリーズの製品化を発表した。9月17日から販売する。価格は個別見積で、12月1日から出荷する。RISCプロセッサ「POWER8」の搭載などで従来モデルに比べ約1.6倍の実効性能を実現しているという。

 SR24000シリーズは、高集積で大規模なシステム向けに2UのシャーシにPOWER8(3.42GHz)を最大20コア搭載できる「XP1」と、高い単体性能が求められるシステム向けに4UのシャーシにPOWER8(3.52GHz)を最大24コア搭載できる「XP2」の2モデルが用意されている。

SR24000
SR24000シリーズ(日立製作所提供)

 POWER8に加えて、ノードあたりのメモリ転送速度を従来モデル比約2.8倍となる1秒あたり384Gバイトに向上したことなどから、従来モデル比約1.6倍に実効性能を強化したと説明。InfiniBandでのノード間ネットワークを高速化し、従来モデル比約3.3倍となる1秒あたり54.2Gバイトとなっている。大量データを利用した大規模シミュレーションなどの科学技術計算の迅速な処理を可能になるとしている。ノードあたりの理論演算性能は、XP1が547.2GFLOPS、XP2が675.84GFLOPSとなっている。

 システムの規模や用途に応じてモデルを選択できるため、消費電力や設置面積などシステムの導入、運用にかかるコストを抑えつつ、高性能なシステムを構築できるという。同社が従来から提供している、自動的に演算を並列処理する「自動並列化コンパイラ」や「クラスタ管理技術」、分散共有ファイルシステム「Hitachi Striping File System」といった独自のソフトウェア技術や運用管理ノウハウを組み合わせることで、SR24000シリーズの性能をシステムとして最大限に引き出すことができると説明している。

 早稲田大学理工学術院に先行納入され、博士課程教育リーディングプログラム「実体情報学」での計算機システムとして医療用ロボットなどに使われる各種アプリケーションの高速化などの研究に活用されている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

  5. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]