世界で最もエネルギー効率の良いスーパーコンピュータを定期的に評価しているGreen500.orgが、2014年6月版の「The Green500 List」を発表した。日本の「TSUBAME-KFC」が2013年11月版に引き続き、世界1位を達成している。
同システムは、東京工業大学学術国際情報センター (GSIC) が日本電気(NEC)やNVIDIAなどと共同開発し、2013年10月に稼動を開始した。ランキングの中で唯一、1ワット当たり4000MFLOPS以上の値を記録している。
一方、「TOP500」リストにおいて世界で最速のスーパーコンピュータとなった「Tianhe-2」(天河2号)は、エネルギー効率という点では49位につけた。
リストでは、ヘテロ型スーパーコンピュータシステムが上位を占める傾向が強まった。TSUBAME-KFCを含め、17位までのシステムはすべて、ヘテロ型スーパーコンピュータシステムで占められており、前回調査より6システム増加している(比率で言えば55%増)。
ヘテロ型スーパーコンピュータシステムとは、アーキテクチャの異なる複数の「頭脳」を組み合わせた処理コンポーネントを用いるシステムのこと。こういった頭脳には、従来のプロセッサ(CPU)やグラフィックプロセッサ(GPU)、コプロセッサが含まれる。1位の「TSUBAME-KFC」から15位までのシステムはすべて、NVIDIAの「Kepler」アーキテクチャに基づいた「Tesla K20」GPUと、Intelの「Xeon」CPUを組み合わせて高速化を図っている。
なお、リスト全体で見ると、ヘテロ型システムはたった64しかなく、残りの436のシステムでは1種類の頭脳、すなわちCPUのみが用いられている。