Amazon Web Services(AWS)は米国時間1月25日、オンプレミス内のアプリケーションのデータをAWSのクラウドに保管するサービス「AWS Storage Gateway」の提供を開始した。AWSのストレージサービス「Amazon Simple Storage Service(S3)」にデータが自動で転送される。
Storage Gatewayは、企業が稼働させているデータセンターなどのオンプレミスで稼働しているアプリケーションのデータをAmazon S3に自動で保管する。AWSエバンジェリストの玉川憲氏はStorage Gatewayについて「バックアップ、災害復旧(DR)や事業継続計画(BCP)、データ移行という3つのシーンでメリットがある」と説明している。
AWS Storage Gatewayの概念図
Storage Gatewayの活用としては、AWSからVMware形式の仮想イメージ(VM)をダウンロードして、オンプレミスの環境で稼働させる。アプリケーションサーバは、オンプレミスの環境で稼働しているゲートウェイをiSCSIのディスクとして利用。ゲートウェイに書き込まれたデータはSSLで暗号化されて、Amazon S3に転送される。
Amazon S3にはストレージサービス「Amazon Elastic Block Store(EBS)」のスナップショットとして保存される。保存できる容量は無制限だ。設置できるゲートウェイは、最大で1Tバイト(EBSの制限)×12個となっている。
データを復旧する方法としては2つある。ひとつはAmazon S3からオンプレミス側にデータを復旧するという方法だ。もう一つは、Amazon S3で仮想ディスクを作成して、IaaS「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」を立ち上げて、その仮想ディスクをデータとして、システムを復旧させるという方法になる。
Storage Gatewayをバックアップに使うと、テープを拠点に送付する必要がない。つまりバックアップ専用の拠点を用意する必要もない。DR/BCPでも、専用のデータセンターやハードウェア、ネットワークを用意する必要がない。このほかの活用例としては、あるデータセンターから別のデータセンターに移す際のデータ移行先としての使い方もある。
ゲートウェイのスナップショットの作成は1、2、4、8、12時間の間隔で設定可能だ。データ転送のオプションとしてはローカルのプロキシサーバを経由することが可能。先日提供が開始した専用線接続サービス「AWS Direct Connect」を利用することもできる。
AWSは日本企業に向けて東京リージョンを開設している。今回のStorage Gatewayでも東京リージョンから利用できるが「あえてシンガポールに保存することもできる」(玉川氏)。世界の各地域で利用できる体制となっている。
AWSとゲートウェイの間のデータ転送はSSLで暗号化される。Amazon S3は99.999999999%の耐久性で設計されており、保存されるデータはAES-256方式による暗号化がかけられている。
利用料金は、ゲートウェイの利用数、データの保存料金、データの転送料金で課金される。利用数は、1ゲートウェイあたり月額125ドル、保存料金はEBSでのスナップショット料金が適用される。転送料金はAWSからオンプレミスに転送される時に課金される仕組み。オンプレミスからAWSへのバックアップ時のデータ転送は無料となっている。
現段階でゲートウェイのVMイメージは「VMware ESXi 4.1」形式だが、今後「Hyper-V」や「XenServer」にも対応していく方針としている。ゲートウェイは現段階でウェブコンソールから設定する方法だけだが、APIを用意してアプリケーションに組み込むようにすることも明らかにしている。Windows Serverに組み込まれている「Volume Shadow Copy Service(VSS)」もサポートする予定と説明している。
玉川氏は今回のStorage Gatewayについて「プライベートクラウドとパブリッククラウドを同時に利用するハイブリッドクラウド」と説明している。
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