AWSの専用線接続サービス、東京リージョンからも提供--スループット向上へ

田中好伸 (編集部)

2012-01-12 14:29

 Amazon Web Servicesは1月12日、専用線接続サービス「AWS Direct Connect」が東京リージョンでも利用可能になったことを発表した。これまで米国の東海岸と西海岸だけだったが、今回は東京のほかにロンドン、シンガポール、ロサンゼルスで利用できるようになっている。

 Direct ConnectはAWSと企業内のシステムを、インターネットを経由することなく専用線で接続させるサービス。ネットワーク帯域のスループットが上がり、ネットワーク遅延とコストが削減され、ネット経由よりも安定するというメリットがあるとしている。国内では米データセンター大手Equinixの日本法人エクイニクス・ジャパンのデータセンターで提供する。

 たとえば、企業間で音楽や映像のマスタデータをやり取りする場合、AWSとオンプレミスの環境の間で大規模データのやり取りが頻発する場合など、ネットワークパフォーマンスが重要とされる局面で、その特長を生かせると説明している。専用線接続であることから、NASやSANなどユーザー企業の既存投資を生かしつつ、AWS上のクラウドを活用した拡張が可能になるとしている。

 データセンターやオフィス、コロケーションなどユーザー企業のオンプレミス環境とAWSとの間にネットワークを構築して、Direct Connectを利用できるのを支援する「AWS Direct Connectソリューションプロバイダー」も増えているという。日本国内では、NTTコミュニケーションズ、KVH、ソフトバンクテレコム、野村総合研究所が認められている。

 東京リージョンでは、2011年8月に「Amazon Virtual Private Cloud(VPC)」の提供を開始。VPCは、AWSの中に専用のプライベート領域を割り当て、ユーザー企業は割り当てられた仮想ネットワーク領域内でAWSのリソースを活用して、IPアドレスレンジの選定、サブネットの作成、ルートテーブルやネットワークゲートウェイの構成など、各種の定義付けと管理を行える。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    ITR調査結果から導くDX浸透・定着化-“9割の国内企業がDX推進中も成果が出ているのはごく一部”

  2. セキュリティ

    最新調査が示すセキュリティ対策の「盲点」とは?|ゼロトラスト、生成AI、サプライチェーンリスクの実態

  3. セキュリティ

    セキュアな業務環境を実現する新標準「Chrome Enterprise Premium」活用ガイド

  4. セキュリティ

    失敗しない「脱PPAP」とは?主要ソリューション5つを徹底比較してわかった勘所

  5. ビジネスアプリケーション

    調査結果が示す「生成 AI 」活用によるソフトウェア開発の現状、ツール選定のポイントも解説

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]