IIJ GIOに仮想化基盤サービス追加--自由にプライベートクラウドを構築

田中好伸 (編集部)

2012-05-23 16:39

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は5月23日、クラウドサービス「IIJ GIOサービス」のラインアップに「IIJ GIOコンポーネントサービス 仮想化プラットフォーム VWシリーズ」を追加、8月から提供すると発表した。提供価格は検討している段階だが、1サーバあたり9万8000円からという。

 2009年12月から提供されているIIJ GIOは当初から、仮想サーバと占有サーバの2種類を提供しているが、今回の仮想化プラットフォーム VWシリーズは同じサービス基盤上に新たにハイパーバイザとして「VMware vSphere」、ストレージとしてEMCジャパンのユニファイドストレージを採用した仮想化基盤を提供する。仮想サーバや占有サーバと比較して、仮想化基盤上のOSやアプリケーションはユーザー企業が自由に設計、構築できるため、業務環境や要件にあったシステムをクラウド上に構築できることになる。

図 仮想化プラットフォーム VWシリーズのイメージ
※クリックすると拡大画像が見られます

 今回のサービスは、仮想サーバ自体を自由に設計、構築できる仮想化基盤を提供する。vSphereのほかに、仮想マシンを統合管理するための「VMware vCenter Server」と組み合わせて提供する。商用アプリケーションの多くがVMware環境をサポートしていることを受けている。EMCのユニファイドストレージはNFSやiSCSI、Fibre Channelといったさまざまな接続プロトコルに対応。多彩なストレージメニューを提供できると説明。初期投資や運用コストを抑えつつ、求められるさまざまなニーズをクラウド上で実現できるとしている。

 仮想化プラットフォーム VWシリーズはIIJ GIOコンポーネントサービスで提供しているネットワーク接続や監視などの各種アドオンメニューと自由に組み合わせて使うことができる。組み合わせられるアドオンは1000種以上、仮想化基盤の自由度に加えて、ユーザー企業個別のカスタマイズにも対応できるという。

 同サービスでは、OSや仮想アプライアンス、業務ソフトウェアなど利用できるソフトウェアを集めた配信ポータルも8月から順次提供する。必要なソフトウェアをダウンロードして、迅速にサーバを構築できるという。今後はソフトウェアイメージの保管やライセンスの管理、課金代行などの追加機能も提供していく予定としている。

 IIJでは、今回のサービスの利用用途として災害復旧(DR)を目的にしたオンプレミス環境とのハイブリッドクラウドを想定している。ネットワールドと共同で、仮想化基盤のインフラをリカバリするDRソフトウェア「VMware vCenter Site Recovery Manager」を利用してDRを実現するソリューションを開発していく予定と説明している。

 IIJ GIOは3月末までに1000以上のシステムに導入されているという。ユーザー企業の半数以上が、閉域網のWANサービスを経由してIIJ GIOを利用。パブリッククラウドではなく、プライベートクラウドの基盤としてIIJ GIOを活用する傾向が顕著だと説明。ユーザー企業がプライベートクラウドを志向する中で、プライベートクラウドの構築に必要な機能を強化するために、今回のサービスを提供するとしている。

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