元宇宙飛行士であり、Boeingで商用クループログラムのクルーおよびミッション運用のディレクターを務めるChristopher Ferguson氏によると、サムスンのモバイル技術がBoeingの有人宇宙船「Crew Space Transportation 100」(CST-100)で極めて重要な役割を果たすことになるという。
Ferguson氏は先週、「搭載されるサムスンのモバイル機器は、チェックリストを確認したり、船内カメラの映像を見たり、ソーシャルコミュニケーションを行うために使用される」とツイートした。
同氏のツイートは、Boeingによる公式発表に、より具体的な内容を追加するものとなった。Boeingは先週、サムスンと協力し、同社の最新モバイル技術を、現在開発中のCST-100に導入すると発表していた。
コロラド州で開催された第30回目の年次シンポジウム「Space Symposium」の場で発表されたこの協力関係により、両社はモバイル技術がCST-100のクルーやミッション運用にどのようにメリットをもたらせるのかを洗い出せるようになり、最初の成果は2014年中に出てくるはずだとBoeingは述べている。
2011年に実施された米航空宇宙局(NASA)の最後のスペースシャトルミッションで船長を務めたFerguson氏は、「地球上での場合と同様に、モバイルツールやモバイル機器によって、宇宙空間での日々の作業方法が進歩し、ミッション運用がより効率的なものとなるだろう」と述べたうえで、「宇宙飛行士は、自らの仕事をしている他の人々と同様に、世の中とつながり、自らの経験を共有する能力に高い価値を見出している」と語った。
BoeingのCST-100宇宙船は、NASAのCommercial Crew Programの一環として開発されている。CST-100は最高7人までの乗員を搭乗させ、あるいはクルーと貨物を混在させて低軌道の目的地まで到達できるように設計されている。
Ferguson氏は、Boeingがいつ頃をめどに、共同開発された技術を宇宙空間で役立てようとしているのかについて、「米国の宇宙船を利用した一般人の軌道周回旅行は早ければ2018年に実現されるだろう」とツイートでほのめかした。
Boeingとサムスンが無線通信技術で協力し合うのは今回が初めてではない。宇宙関係の目的ではないものの両社は2012年に、航空機における機内エンターテインメントや通信のサービス向上とともに、工場における生産性の効率化を目指した共同研究開発の実施を発表している。
Boeingのスマートフォン「Boeing Black」は「Android」を搭載しており、分解されそうになった際にデータを消去するとともに、操作不能になるよう設計されている。また同スマートフォンには、保存データが暗号化され、筐体は分解を抑止するためにエポキシ樹脂で密閉され、保守部品がないという特徴もある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。