IBMは10月16日、カリフォルニア州アナハイムのアナハイムコンベンションセンターにおいて、同社のインフォメーションマネージメントに対する取り組みを紹介するカンファレンス「IBM Information On Demand 2006」を開幕。新しいカテゴリのソフトウェアプラットフォーム「IBM Information Server」を発表した。
Black Eyed Peasのヒット曲「Let's Get It Started」に合わせて基調講演に登場したIBMのインフォメーションマネージメントソフトウェア担当ゼネラルマネジャー、Ambuj Goyal氏は、「今日、IBMは業界で初めてのインフォメーションサーバ製品を発表する。その名は、“IBM Information Server”だ」とぶち上げた。
IBM Information Serverは、企業が情報を戦略的なビジネス資産として活用するために必要となる、すべての機能を統合して提供する新しいソフトウェアプラットフォーム製品。SOA(サービス指向アーキテクチャ)をベースに、高い信頼性と一貫性、そして再利用可能な状態で情報を統合し、アプリケーションやビジネスプロセスに提供するための機能で構成されている。
基本的には、「IBMのハイブリッドデータベース製品であるIBM DB2 9を中核に、ミドルウェア製品群であるIBM WebSphereファミリー製品で構成される」(Goyal氏)が、製品間がどのように統合されているのかなど、詳しい話は明らかにされなかった。
それでは、“インフォメーションサーバ製品”が、なぜ“新しい分野”なのか? Goyal氏は、現在では企業の基幹システム構築に不可欠となった“アプリケーションサーバ製品”を例に話しを進めた。
1996年ごろ、Javaやトランザクションモニタリング、セキュリティ、メッセージング、負荷分散などの仕組みは、バラバラに提供されており、企業は必要に応じて機能を組み合わせてシステムを構築していた。このような開発手法は、システム構築をかなり複雑なものにしてきたが、これらの機能をひとつに統合した製品として登場したのがアプリケーションサーバ製品だった。
2006年現在では、SOAや各種基盤、それに伴う接続性、メタデータ、トランザクションなどの仕組みを組み合わせ、アプリケーションやビジネスプロセスを構築している。これらの仕組みも、現状ではバラバラに提供されており、変化に柔軟に対応できるIT環境を実現することを困難にしている。多くの企業から「SOA開発は複雑だ」という声が聞こえるのは、それ故だ。
そこで登場するのが、アプリケーションサーバ製品に変わり登場するインフォメーションサーバ製品というのがIBMの主張だ。