日本オラクルは11月12日、ザ・プリンスパークタワー東京において「Oracle Database Summit 2009 - 11g R2 & Exadata V2 登場! in 東京」を開催した。
同イベントは、企業のCIOや経営企画部門マネージャー、IT部門マネージャー、システム開発者、システム管理者、情報システム部門担当者などを対象としたもの。11月17日から出荷を開始する約2年ぶりの最新版「Oracle Database 11g R2」の機能や活用方法を紹介するほか、昨日、日本でも販売が開始されたデータベースマシン「Exadata V2」をお披露目する。クラウドコンピューティングが注目されるなかで、いかにIT基盤のポートフォリオを選び、活用すべきかについて、オラクルからの提案を行うイベントだ。
基調講演では、日本オラクル代表執行役社長、最高経営責任者の遠藤隆雄氏が「私がオラクルに来て、初めてのデータベース製品の発表。この発表に立ち会えてエキサイトしている。今こそ、データが重要な時代、脚光を浴びる時代が訪れている。データを活用し、経営に生かすことができるかが問われる時代である。だが、ネックはスピードとコスト。今回の製品発表により、これを解決し、データの活用法を変化させる。企業の中でイノベーションを起こせる」と挨拶した。
「Exadata V2はDBシステムの抱える問題に自ら取り組んだ成果」
続いて登壇した、米Oracle Corporation、データベース・サーバーテクノロジー担当シニアバイスプレジデントであり、データベース製品開発総責任者であるAndrew Mendelsohn氏は「Lowering IT Costs with Oracle Database 11g R2 & World Fastest Database Machine, Oracle Exadata V2」をテーマに、同社の最新のソリューションを紹介した。
Oracle Database 11g R2に関しては、「ハードコストを5分の1に削減できる」こと、「スレトージ関連コストを10分の1に削減できる」こと、「パフォーマンスを10倍以上に向上できる」などの特徴をアピール。加えて、「停止時間の短縮」と、「未使用の冗長構成を排除してソフトウェアポートフォリオを大幅に簡素化できる」こと、「データベースアプリケーションの生産性を2倍に向上できる」こと、「アップグレードコストを4分の1に削減できる」こと、という7つの観点から説明した。
具体的には、「RAC One Node」を活用することで、システム停止をせずにパッチを適用できる事例や、構造化、非構造化を問わずあらゆるデータを圧縮し、ストレージの容量を最大4倍まで圧縮できる点などをストーリー仕立てのビデオで紹介した。
また、「ASM Cluster File System」「Database Smart Flash Cache」「In-Memory Parallel Execution」といったOracle Database 11g R2の新機能を説明したほか、既存システムからのアップグレードをコストを削減しながら行えることを示し、テスト環境においても「Real Application Testing」を利用することで、少数の管理者と開発者が数千人のオンラインユーザーのワークロードをキャプチャし、本番環境のように実行できることなどを紹介した。
Oracle Exadata V2については、「なぜ、ソフトウェアベンダーのオラクルが、ハードウェアを開発するのかという質問をよく受ける」と前置きし、「データベースシステムは、パフォーマンスの面で課題を抱えていた。またストレージを増やしても結果としてボトルネックが発生する。この問題を解決するために、ストレージベンダーは何もしてこなかった。そのためにオラクルは、この分野に取り組んだ。Exadataは、シーケンシャルI/O性能を驚異的に進化させており、I/Oにおけるパフォーマンスの問題を解決できる。世界で最も高速なOLTPマシンであり、世界で最も高速なデータウェアハウスマシンである」とした。