IBMがオープンソースのJavaプロジェクト「Harmony」に参加し始めたことを、同社の幹部が明らかにした。同社では今後、プロジェクトにコードを寄贈する予定だという。
IBMの新技術担当バイスプレジデントRod Smithによると、同社はここ一週間の間に、Apache Software FoundationのオープンソースプロジェクトHarmonyに担当者を派遣し始めたという。
現時点では、IBMの参加は、設計に限定されている。しかし、Smithによると。将来的には、同プロジェクトにコードを寄贈する意向であるという。
「将来的に必ず、われわれのコードがたくさんの人の目に触れることになる。だが、現段階では、IBMはアイデアや設計をまとめる作業のみに参加している」とSmithは述べる。「われわれは、プロジェクトに関していろいろなアイデアを持っている。これらの考えがHarmonyの戦略に組み込まれることを期待している」(Smith)
Harmonyは、デスクトップPCでJavaプログラムを動作させるためのJavaプラットフォームである「Java Standard Edition(Java SE)」のオープンソース版を開発するために5月に立ち上げられた。
Smithによると、IBMは、同プロジェクトの方向性とゴールが明確になるまで参加を見合わせていたという。
IBMは長い間、Javaをオープンソース化するのが好ましいという考えを明確にしてきた。Smithは2004年、当時Sun MicrosystemsのバイスプレジデントであったRob Gingellに書簡を送り、Javaのオープンソース化を訴えていた。
Sunの幹部は、互換性のないバージョンが乱立する可能性があることを理由に、Javaのオープンソース化に消極的な姿勢を見せていた。しかし、同社は、ライセンスポリシーを変更し、Java SEのコードを閲覧したり、追加機能を寄贈したりすることを容易にした。
IBMもSunも、これまでHarmonyには正式に参加して来なかったが、どちらの社員からも、同プロジェクトを支持するとの声が上がっていた。
また開発者の間では、IBMがHarmonyに参加し、コードを寄贈することになるのではないかとの憶測が流れていた。
IBMは、Java SEのコンポーネントの1つであるJava仮想マシンをすでに自社開発しており、Javaについての専門知識が豊富だ。IBMは5月、オープンソースのJavaアプリケーションサーバを提供するGluecodeを買収している。Gluecodeは、Project Harmonyに貢献しているGeir Magnusson Jr.をはじめ、オープンソースJavaの専門家を社員として抱えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ